31 お揃い ページ31
最後にAが1つのお店に目が止まる。
「綺麗…。」
Aは飾ってあるドレスを見てそう呟いた。
ここはウエディングドレスのお店のようだ。
「結婚式、どうする？」
結婚したはいいものの、ちゃんとした式は行っていない。
「したいよね。」
「でも、私と淳弥くんの仕事とか…。」
「そこら辺はお互いの都合次第だよなぁ。」
お互いの仕事は本当にバラバラで、家で一緒にいる時間は最近は少ない。
どちらかが遅くまであったり、または朝が早かったり。
にしても本当にドレスが綺麗だ。
「Aのウエディングドレス姿、見てみたい。」
「ほ、ほんと…？」
めちゃくちゃ彼女の目がキラキラしている。
「いつもみたいに鼻血出さないでね。」
「出すかよバーカ。」
想像しちゃったけど、ちょっとやばいかも…というのは心の内に閉めておこう。
「あ。食料買ってない。」
色々と買い物は出来たはいいもの、車に乗った瞬間彼女の言葉で思い出す。
本来の目的は食料を買うこと。
ショッピングモールの1階にスーパーはあった。
でも完全に忘れていた。
「いつものスーパーに行こっか。」
「そうだね。」
結局、家の近くのスーパーに寄った。
＊
ご飯を食べてお風呂に入った後。
「ネックレスつけたい！」
「はいはい。」
彼からのプレゼント__ネックレスをつけてもらった。
「どう？」と彼に見せたら「ばっちり」と笑顔で言ってくれた。
「淳弥くんのもつけるよ。」
「ありがと。」
今度は淳弥くんにもつけてあげた。お揃いっていいなぁ。
「あ、こういうときに自撮りの写真をあげてみようかな。」
「いいんじゃない？」
以前のインスタライブで「もっと写真を投稿してほしい」と言われたことを思い出した。
「じゃあ一緒に。」
「俺はいいよ。だってバカップルって思われちゃう。」
「結構色々な人からバカップルって言われてるよ。」
「マジかよ俺初耳。」
結局、彼はピースしている手だけが写った。
岩茸A
@Iwataketake
ネックレス、買いました。
【Aの自撮り&ピースの手(淳弥)】
それから、数日後。
それぞれイベントがあった2人は、キャストと一緒に写っている写真をSNSにアップ。
ここでファンはお揃いのネックレスだと気づき、騒いでいたのであった。
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作者名：のん
| 作成日時：2021年8月15日 19時
