俺、爽やかじゃないから。【菅原孝支】

12：バーカ ページ12

「あらら、黙っているってことは図星かな？」









　









そうだよ、図星だよ。図星で何が悪いんだよばーか。









　









「やっと爽やか君に春が来たってことだねー。」

「っるさいわ！クソ及川！」

「岩ちゃんの口調移ってるから！」









　









うん。少しだけど岩泉の気持ちがわかった気がするよ。

ストレス、溜まるんだろうなぁ。お疲れ様です。









　









「…それで、好きな人が出来たの？」

「小学生の時から。その子は幼馴染。」

「え、幼馴染いたんだー。でも小学生の時からなら、親しいんじゃないの？」









　









わかっていないな、及川。









　









「親しい…けど。自分の気持ちを出せないっていうか、その…。」

「その？」

「愛おしすぎて、やばいんだよ！」









　









その言葉を言った途端、俺は何か大事なものをなくした気がする。

さーっと汗が引いていくような。

そして頬を触ってみると、とても熱かった。









　









「へぇーじゃあ俺も会ってみ______」

「それは無理な話。」

「ちぇ。」









　









及川になんか合わせるものか。

それに“あの練習試合の時”、Aが風邪で休んでてある意味良かった。









　









「じゃあさ、もっと仲良くなるために学校外でも会ってみたら？」

「え？」

「ほら。休日にお出かけしたり。」









　









お出かけ？え、2人で？_______つまり、デート！？









　









「無理無理。救急車に運ばれちゃう！」

「救急車！？」








　









休日、ということは…私服を見れるというわけだ。

メリットは十分あるけど、俺の精神が持つかどうか。









　









「爽やか君ってあれだよね、純粋だよね。」

「うるさい。」

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