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二十九 ページ29

結局、私は病室には入らなかった。



 
意識不明らしいので、目を覚ましてから明るい顔を見よう。









 
果たして、親は意識を十分に保っていけるのだろうか。








 
愛している子供が、入院するなんて誰も思っていなかった。私だってそうだ。


 
こんなにも、日常が非日常になるなんて。









 
未来を知りたい、と思っていてもこのような残酷な現実があるのだから、知りたくても知りたくないだろう。









 










 
朝。Aが登校する時間。



 
俺は教室でスタンバイしていた。いつもはAが来てから俺が来るけど今日は逆。









 
「お。」









 
そそくさとやってきたA。しかし、様子がおかしい。顔色が悪い。









 
「おっはよーA!」


「…。」









 
返してくれない。









 
「おーい?」









 
俺は彼女に顔を近づける。









 
「!お、おはよ。」


「…。」









 
一瞬驚いてやっと返してくれた。昨日何かあったのだろう。


ここまで違ってくると、やはり家族のことで何かあったのか。








 
聞き出してみよう。









 






 






 










 
とは言ったものの、放課後になるまで俺は大忙し。









 
仕事、仕事、仕事尽くし。疲れるものだよ、七不思議は。

 
仕事のせいで、休み時間や授業中の様子は見れなかった。







 
しかし、ちゃんとヤシロから相談を受けた。









 
________Aちゃん、すごくぼーっとしてて…。何か悩んでるっぽいの。私が聞いても、全然答えてくれなくて…お願い!花子くん!









 
と。









 
あのヤシロの慌てようから、結構酷いようだ。





 
こういう時こそ、俺が行動しないでいつ行動するのだ。









 
「頑張るぞー!」

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設定タグ:地縛少年花子くん , 花子くん , 柚木普   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ノン | 作成日時:2020年1月26日 18時

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