十九 ページ19
「あっ。流れ星。」
その時。一瞬、キラッと光ったものが一瞬通り過ぎていった。
多分、流れ星だろう。次々と星が流れていく。
「流れ星かー。Aは何か願い事、ある？」
と、言っても俺は願いを叶える側なんだけどね。
そういえば、“Aと出会ってから願い事を聞いていない”。
「え？うーん…。このまま、幸せが続きますように、かな。」
「うっわぁ…。すごくベタだね。」
それでも彼女は、幸せを願っている。俺が叶えてあげたい。
「うるさいな。そういう花子さんは？」
「俺？俺はひーみーつ。」
Aとずっと一緒にいたい、なんてそんなこと言ったら馬鹿にされる。
「えっ。」
自分のは言ったのに、教えてくれないの？というような顔をされた。
そうだよ。俺のは教えない！絶対に。
「ふぁ…。」
「もう遅い時間だもんね。」
Aは口を大きく開いてあくびをする。眠そうだ。
「いいよ。俺の肩、貸すよ。」
「…ごめん。」
「おやすみ。A。」
「お、やすみ…。」
すぐ眠りについた。
俺は横で寝ている彼女の髪を触る。サラサラで、気持ちが良い。
てかまつげ長っ。肌が白い。
間近で見ると、Aの色々なところを見れる。
「可愛い。」
自然と口が動いた。
「……お願い。まだ、死なないで。」
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作者名：ノン
| 作成日時：2020年1月26日 18時
