34滴：桜 ページ35
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あぁ、なんて桜が綺麗なんだ。花びらが地面にひらひらと落ちていく。花びらと共に“涙も落ちていきそうだ”。
__________今日は卒業式。
お別れの季節。3年生は卒業。2年生は3年生へ。1年生は2年生へ。進級していくこの季節。私は今の季節が大嫌いだ。とても。
4月からこの烏野高校に菅原先輩は、いない。
「すがわら、さん…！」
「日向泣くなって！」
男子バレー部の皆は3年生を囲んで喋っていた。その中でも日向君は号泣。
「最後は笑って！な？」
「うぅ…」
大きな存在であった3年生。私も菅原先輩とは別れたくない、と思った。私はいよいよ3年生になる。3年生になればあっという間に1年間はすぐ終わるだろう。
「Aちゃーん？」
「うわっ！？」
菅原先輩のことを見ていると涙が出てきそうで、遠くの桜の木を見ていた。しかし後ろから声をかけてきて驚く。
「泣いてるかと思った！」
「な、泣いてないですよ！」
「Aちゃんって涙もろいかなーって思ったけど違ったかー」
“涙もろい”。確かに先輩の言っていることは当たっている。
「テニス部の3年と挨拶したの？」
「あ、はい。“謝罪”もあって…」
「そっかそっか。ちゃんと反省したんだ」
「はい…」
1段階話が終わり、無言が続く。“あの時の”屋上にいた時より、断然優しい生暖かい風が吹く。桜の花びらと一緒に。
「遊びに、来てくださいね」
「もっちろん！まだまだ後輩のこと心配だし！」
大きく口を開けて、笑い合う。こういう時って泣きそうになるだろうと思っていたけど案外大丈夫であった。
「幸せ者はね、」
「？」
先輩は桜の木を見上げながら、口を開いた。
「“困っている人を助けて、周りも幸せにするんだよ”」
「え、」
「“幸せ者は、そこへ行く”」
「！」
「Aちゃんは、将来立派な人になるよ」
「菅原先輩も、ですよ」
「あはは！“これ予言ね？”」
「！はい」
最後に菅原先輩の言った言葉。この言葉の意味を実感したのはすぐである。しかし今の私にはまだ_______。
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ノン(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます。私もスガさん大好きですね(笑) (2019年9月16日 15時) (
レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
ノン(プロフ) - 渚＠俺ﾅｰさんさん» コメントありがとうございます。更新がんばります！ (2019年9月16日 15時) (レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
みな - スガさん大好きです！！ (2019年9月16日 11時) (レス) id: c7efde0d03 (このIDを非表示/違反報告)
渚＠俺ﾅｰさん(プロフ) - 好きです…。こういうお話好きです。更新頑張ってくださいね！ (2019年9月16日 2時) (レス) id: fb112923a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノン
| 作成日時：2019年9月15日 19時
