ChocolatePalette 【d!】 (ページ4)

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そのまま図書館で時間を潰し、いつもと同じくらいの時間になってから教室に向かうと、シャオロンくんの机の周りがやけに騒がしい。
彼と近い席の私が時間をかけて席に着くと、仲のいい友達が話しかけてきた。

「ねぇねぇAちゃん、あれすごくない？」
「おはよ…すごい騒ぎだけどなんかあったの？」
「それがねぇ、なんかひとつだけ誰からかわからない紙袋があったんだって」

どく、と心臓が大きく音を立てた。それはたぶん、私だ。

「でね！ここからがすごいの！」
「なに？」
「シャオロンくん、そのチョコ誰からかわかったんだって」
「えっうそ」
「ほんとなんだって。しかもそのチョコ以外いらんからって貰えなかった男子に配ってるんだよ」

それは他の女の子たちに失礼な気もするけど。
だから隣のクラスからすすり泣く声が聞こえたりしていたのか。

「で！Aはあげたの？」
「あげました…」
「それは今配られてる？」

無言で首を横に振ると、途端に嬉しそうにする友人。
その顔がにやけていくのを見ていられなくて、机に突っ伏した。
タイミングがいいのか、SHRのチャイムが鳴って、友人も席へと戻る。

「後で詳しく聞かせてね」

尋問はあるみたいだけど。
SHR中、ポケットの中のスマホが震えて、隠し見ると

シャオ前みたいにシャオちゃんって呼んでくれへんの
シャオなんで名前書いてくれへんかったん
シャオ今日、部活休みやからいっしよに帰ろ

ぱっと顔を上げて、斜め前のシャオロンくんを見る。
いつもと同じ太陽みたいな笑顔と目線があった。

「…っ」

こんな態度をとったら近くの席の人にはばれてしまうとわかっていたけれど、恥ずかしくなって顔を逸らした。