見えるから見ないだけ Ⅲ【呪術廻戦】 (ページ4)

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「あんまりこの制服かわいくないのよね、今度買いに行きましょ。Aも来る？」

『もちろん、一緒に行こう』

野薔薇が着替えてきた鞍久を見ながら言う
今彼女がきているのは完全に動くためだけのシャツだ
シャツと短パンの鞍久は目に珍しいが、オシャレと言うわけではない

シャツなので当然フードはなく、綺麗な金髪はポニーテールになっていた

「うん、やっぱりAもかわいいわね。どうせならジャージ以外も見てきましょ？」

『…ありがとう、野薔薇も綺麗だね』

照れてれと頬をかき、目は空中をさまよっている
くすぐったそうに微笑んで野薔薇に言った

この感覚をなんと表せばいいだろう

「……かわいいわね」

「しゃけ」

聞こえたらまた鞍久がおろおろするだろう、と
そう思い、控えめに呟いたのだが後ろにもう一人

そう、狗巻である

多分彼に他意はない

実際頬を赤く染めて、落ち着かない様子の彼女はすこぶるかわいい

小動物っぽくて

まあ、残念ながら中身は天眼持ちの占い師
小動物要素は皆無なのだが

「ツナ、明太子」

『うん、始めようか』

狗巻を見つけた鞍久が彼に駆け寄って、うなずく
口もとが緩んだことには誰も気づけなかった