見えるから見ないだけ Ⅲ【呪術廻戦】 (ページ30)

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任務ページ30

「今回僕は引率できなくてね、でも安心して信用できる後輩を呼んだから。……脱サラ呪術師の七海君でーす」

「その言い方やめてください」

笑顔の悟が七海と肩を組んでいる
どう見ても嫌がっている、間違いない
とはいえども、鞍久は笑っているだけで何か行動する気はないらしい
悠仁に至っては完全にはじめましてだ

この場に七海の意志をくんでくれそうな人はいなかった

「脱サラ……なんで初めから呪術師になんなかったんスか？」

悠仁が２人を見ながら聞き返す
これに関してはとりあえず悟が悪いだろう

初対面でも普通に会話しようとできるのは悠仁の美徳だ

「まずは挨拶でしょう、はじめまして虎杖君」

「あ、ハイ、ハジメマシテ」

「それからお久しぶりですねAさん。無事で何よりです」

流れをぶったぎり七海が言う
嫌味という雰囲気ではないが、多少の当て付けはあったと思う

同級生の救助におもむいたと思えば、その同級生が１人亡くなったという訃報
それなのに本人からはなんの連絡もない

鞍久にも七海に心配をかけた自覚はあった

『報告が遅くなってすまない……』

鞍久が申し訳なさげに頭を下げる
なんとなく察した

「……いえ、五条さんが関わっていることを考えれば仕方ありません。こちらこそ大人げなかったでしょう、すみません」

いやいやと首を振り合う２人は当然のような顔だが、悟は納得がいかないようだった
異議を唱える悟もまざって、一時辺りが騒然とする