見えるから見ないだけ Ⅲ【呪術廻戦】 (ページ3)

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「とりあえず、ジャージに着替えてこい」

「しゃけ」

パンダによる説明が終わると、真希がそう言い放った

私たちがおもうより簡単に人は死ぬ
もう二度と会うことはできない

それがどんなに怖いことか

『「「はい」」』

３人の声が重なったのはその証明
みんな同じ思いだ

「Aは【目】使って３対１な。」

『分かった』

「こっちは術式とか呪具は使わねー、まずは３分逃げ切れ」

彼らに言われしっかりとうなずく鞍久
彼女は体術、天眼、時々片鱗を見せる術式等々を加味すれば、かなり強いのだが
天眼にもキャパがある

つまりはそれを【どう使うか】が重要なのだ

もちろん悟のようなそれすらどうとでもしてしまうヤツはいるが、あんなのは例外中の例外
一般的な人間には到底不可能な芸当だ

『目指せ最強、は無理そうだから目標は七海さんかな』

「しゃけ、明太子」

「それがいい、アレはやめとけ」

真希と狗巻から同時に飛んでくる肯定の言葉
鞍久に【絶対勝てない】と言うつもりもないが、憧れを抱くような対象ではないことは絶対だ

鞍久があんなになったら嫌だ

２人は真剣だった

「でもAは先に棘と調整だぞ」

『調整か……』

「最近天眼の調子がいいって聞いたからな。【アレ】も棘なら止められるしちょうどいいだろ？」

パンダが言っているのは鞍久の【代償】の話で、いざとなったら呪言で止められることが分かったのだ
当然一時的なものだが、止められるのなら家入が対処できる

そういう約束をした

１つうなずいて、鞍久は校舎へ走っていった