見えるから見ないだけ Ⅲ【呪術廻戦】 (ページ18)

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・ページ18

「……やっぱ宿儺に頼るべきじゃなかったんだ。そのせいで傷つけた、伏黒との約束もふいにした」

『あのときは【アレ】で良かったんだ。【最善】だった、【アレ】しかなかった』

「それでも、俺は他のやり方を選ばなきゃいけなかったんだ。本当は」

ゆるやかに会話が続く
内容は激昂していてもおかしくないものなのに２人は静かだった

【最善】の未来は【最良】の未来ではない

分かっていても鞍久には変えられないのだ

「強くなるよ、他の方法が選べるくらい」

『そうか』

沈黙が続く
各々考えなくてはいけないことがある
達成したいことが、譲れないものが

それがどう噛み合っていくかはまだ別のお話だ

『独り言だと思って聞き流してくれるかい？』

悠仁がこくりとうなずく
顔は合わせない、山も谷もオチもないクソ映画をひたすら眺めながらただそこにいる

『私はもう【見える】はずなんだ、終わりが。でもそこに【助かる方法がない未来】があったら、【大事な人が死ぬ】ことが決まっているのなら、私はどうすればいい？』

『私の【予言】は口にだした時点で確実性が上がる。だから【欲しい未来】は口にだす』

『でも、……見たくないときはどうしたらいい？私にしか出来ないことなのに【やりたくない】、【怖い】、【見たくない】んだ』

【変えることが出来ない未来なんて知りたくなかった】