14 ページ17
冴side
「にーちゃん!」
「凛。」
凛が駆け寄ってくる。俺はそれを受け止め、凛の頭を撫でた。
「Aはどうした?」
「Aちゃん?Aちゃんならあっちにいるよ!」
凛が指差した方を見ると、そこにはAがいた。
Aはこちらに気付くと、小さく手を振ってくれた。俺もつられて手を振る。
・・・俺と凛は、ブサイクらしい。物心ついた時からずっとそう言われてきた。
虐められることもあった。
あの肥えた身体も。丸い顔も。たらこ唇も。俺には無いものだった。せめて太ろうと思っても、俺の体は太りにくい体質らしく、全然上手くいかなった。
・・・だから、俺には友達なんて1人もいなかった。でも別に気にしては無かった。
そういう運命なんだなって、そう思ったから。
でも。
あいつは、Aは違った。俺のことを見ても、ブスだと言わなかった。それどころか、カッコいいと言ってくれた。こんな俺を、褒めてくれた。
初めは、変なやつ。そう思った。でも、一緒にいるうちに分かったんだ。
ああ、こいつは本当に俺のことを見てくれてるんだって。他のやつらと違うって。それからは、もっと好きになった。
Aは初めてできた、友達だった。
サッカーだって、Aがカッコイイと言っていたから始めた。
別に体を動かすことは嫌いじゃない。
そして気づいたら、周りより遥かに上手い選手になっていた。その事に嫉妬したのか、虐めは更に酷くなって言ったけど、Aが俺の事を応援してくれてると考えたら全然辛くは無かった。
幼稚園を卒園してからも、ずっとサッカーは続けた。Aと小学校は違ったけど、頑張ればAが見てくれる。それが嬉しかった。
だからさっきも。カッコつけて俺だけみてろってAに言った。あいつは鈍感だから助かったけど、あの時の俺の顔・・・。真っ赤だった。
今になって気付いた。
・・・これは、恋だ。
「にーちゃん?」
凛が急に無言になった俺を心配そうに見つめた。
俺はハッとして凛を見つめた。・・・ぼーっとしてた。
「なんでもない。行くか。」
「うんっ!!」
凛は笑顔で返事をする。
別にAに思いを伝えるのは今すぐじゃなくても良い。それこそ、俺が世界一のストライカーになったら。Aを迎えに行こう。
俺は凛の手を引いて、Aの元へ向かった。
冴side終了
356人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - 私ブルロのキャラ全員推しなのと愛され大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (11月19日 8時) (レス) @page8 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
アムス - 美醜逆転に最近ハマったきっかけがこの作品なんです!!投稿楽しみに待っています_(:3」∠)_ (7月9日 20時) (レス) id: 9e21e9a7d9 (このIDを非表示/違反報告)
シェラ(プロフ) - ぴみさん» ありがとうございます!凛ちゃんの可愛さは万国共通だと思いますまじで。(黙れ)これからも頑張ります!! (2023年3月24日 15時) (レス) id: c2cb4d5a5b (このIDを非表示/違反報告)
ぴみ - めっちゃ好きです!凛ちゃん可愛い!これからも頑張って下さい!! (2023年3月24日 15時) (レス) @page13 id: a370e1aadc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シェラ | 作成日時:2023年3月23日 0時