陰陽師 ページ10
「殺すぅうう…!」
「っ…!嘘やろ…!」
どうやら天狗も召喚できないらしい、誰か先生を呼びに行こうにも、時間がかかる、そんな猶予はない
「晴之さん!!」
「臨・兵・…者・…陣……」
すふと、ブツブツと何かを言い始めるA、それを唖然と見ることしかできない
「列・在・前…!」
何かの呪文らしく、里香の様子がおかしくなる、だんだんと苦しみ出し、Aを離す。憂太は彼女を受け止めようと走ったが、その必要はないらしく、綺麗に着地した。
「ふぅ…流石に焦ったぁ」
里香は苦しみながら消えた。
「これは…」
「あぁ、九字、ていう呪文、里香に効いて良かった」
流石に焦っていたらしく、表情が歪んでいた。
「九字…?」
「陰陽師が使ってた呪文、古い物でも役に立つんやなぁ…
とはいえ、そんなに効いてないみたいやけど」
心なしか、さっきより距離が遠い
「完璧に里香を制御できるようなったら、乙骨に勝てやんわ」
少し残念そうな顔をした後、メガネをかけ直し、大太刀をしまい込んだ。
「ウチの目は、映し出した人やモノの強い感情が見えるんやけど…
里香の気持ちよりも、乙骨の方の気持ちの方が強烈やった。それくらいしかわからんけど、呪いは無意識にかけてまうこともあるから…」
自分もその1人であるため、乙骨の力になりたいと強く思った。里香は、彼にとってそれほど大切な人らしいからだ
「それって…君の天狗も同じなの?」
「…!」
まさか、天狗の呪いまで見破られるとは思ってもおらず。少し俯く
「あ、ごめん…!話したくないならいいよ」
「ちゃうねん、まさか、ど素人に見破られるとは思ってなくて」
誰が見たって明白か、と思い直し、乙骨に単直に話した
「天狗には、ウチの友達の未練が縛り付けられとるねん…
その呪いのせいで喜怒哀楽が消えてしもた…ウチの目でも、天狗の気持ちを読み取る事ができへん…」
「友達の未練?」
コクリ、と頷く
「心霊スポットに遊びに行った時、割とヤバイ怨霊と出会って、ウチだけ天狗に助けてもらってん、気づいたら友達3人は血だらけで…
無意識に、友達の未練を天狗に縛り付けてしまった…、その時始めて自分がそういう人間なんや、て気づいた。
そん時、五条先生に来てもらえやんかったらきっとウチ取り返しのつかへんことしてたわ」
25人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梟(プロフ) - 面白いですね!好みどストライクでした!更新お願いします!!! (2019年2月28日 18時) (レス) id: 418ddfb590 (このIDを非表示/違反報告)
ゼリー(プロフ) - この作品めっちゃ好きです!!更新お願いします! (2018年8月22日 0時) (レス) id: ca55176d45 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 呪術廻戦めっちゃ好きです!これからも更新お願いします。!!! (2018年7月20日 20時) (レス) id: bd034a3b9d (このIDを非表示/違反報告)
チロル2 - すっごく面白いです!更新頑張ってください! (2018年7月20日 8時) (レス) id: df8d01df11 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ