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第22話 ページ27

Noside

三人は食糧庫に着きツムギは路々森の手当てを受け、頭に包帯が巻かれている

未だに目を開けない駆堂に路々森が言った。

「うん寝てるな」



「『へ……?』」

「電池切れ爆睡中だ
アン坊、数日まともに寝てなかったようだからね
しばらくなにしても起きないぜ」

それを証明するように
爆睡する駆堂の頭の上に林檎をのせていく路々森。

「は…はた迷惑なやつだ…」

「よかったです…」
ツムギも首を縦にぶんぶん振っている。

「アンヤ君昨日薬がどうとか言ってたので…」

『そうなんですか…?』

「ツムギさんがいないときですよ」

入出も林檎積みに参戦した。

「薬…睡眠薬のことかな?彼いつも持ち歩いていたし
まあ…あとは本人からきくといい」

「それより今着目すべきはそのカリンちゃんもどきだ
おそらくそれがミミクリー・マンイーターだろう」

「クリア条件は『殲滅』ですし
あれ一体だけじゃないと思います」

「うぇ…」

「具体的にはどんなやつだったんだ?」

「どんな…見た目はまんまカリンさんです
…ね?」
『ね!』

可愛い。久しぶりに全員に漂う空気が和んだ。


「この世のものとは思えない笑顔で近づいてきて…」ブルッ…

「……ねえムカつくんだけど」

「ツムギさんが激しく強くだきしめられてました…トラウマレベルです…」

「ムカつくんだけど!!!」


「それに最初は柔らかそうだったのに
次第にカサカサになって」
「カサカサってなによ!!」


バキと絶対に顔面と手が鳴らしてはいけない音がでた。


「本物と見分けがつかないのは厄介だな
合言葉でも決めるか…」

「いずれにせよ一度調べたほうがよさそうだ
ん〜……
カイさん部屋に荷物を取りに行きたい
すまないが用心棒を頼めるか」

「ん
ああお安い御用で」

「ちょっと待て
ふたりだけじゃ危険だ…!」

忍霧は二人を心配しているのだろう。

「平気さ
あっきーとAの話じゃ夜は活動停止してるようだしね
それにザッくんたちには別のお願いがある」

その忍霧に対し路々森はにっこり微笑みながら言った。


_____

ツムギは林檎がのっている駆堂の顔を見ていた。
額にはもう目立たないがかさぶたができていた。

髪の間から見えるそのかさぶたをツムギがそっと撫でると駆堂が動き林檎が落ちてしまった。

ツムギはハっとしてすぐに林檎をもとに戻した。

路々森と入出が作ったものを崩してしまうのはもったいないと思ったのだろう。




駆堂はまた苦しみだした。

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作者名:奈無 x他2人 | 作成日時:2018年1月21日 18時

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