124話 歪みすぎ ページ30
ﾋﾟｯ ﾋﾟｯ ﾋﾟｯ
一つの病室に心電図の音が響く
点滴や呼吸器に繋がれたA
顔は青白く所々に包帯が巻かれている
萩｢……もう1週間立つのにまだ目を覚まさないね｣
降｢ああ。ICUから移動されたものの…医師によると目を覚ますかは本人次第だそうだ」
ベッドの周りに佇む5人
松｢いつまで寝てやがる…さっさと起きろよ｣
いつもの威勢はなく
弱々しいその言葉に4人も顔を暗くする
緑｢…いつも無茶ばっか｣
伊｢早く起きてくれ…｣
呼び掛ける声に返答はなく
ただ無機質な音だけが広がる
萩｢ねぇAちゃん。聞かせてよ…Aちゃんのこと。知りたいよ…｣
細く冷たいAの手を握る萩原
萩｢お願いだから…目を…開けて……｣
悲しみに顔を歪める
｢｢ッ……｣｣
誰かの奥歯を噛み締める音がした
萩原はベッドの横に膝をつく
握った手を額に付け一つ涙を落とした
『顔………歪みすぎ……じゃね…？』
萩｢えっ｣
｢｢！！｣｣
微かに開いた目と視線が絡む
『………ははっ皆凄い顔』
小さく微笑む
｢｢Aッ!!!｣｣
うおっ。
松｢てめぇ!!!どんだけ心配かけやがんだ!!!｣
『ん、ごめん。でもここ病院ね？』
大声はやめて？
伊｢馬鹿野郎!!｣
『ははっ伊達さんに馬鹿って言われた』
降｢いい加減にッしろ…………よかった｣
『ツンデレ？あっゴメンナサイ。すみませんでした』
顔怖。
萩｢……………｣
えっ
『なっ泣かないで!?大丈夫だよ!?』
萩｢……ばか……馬鹿ぁ!!｣
『ご、ごめん』
ん？
えっと。
『も…緑川…さん？』
顔を伏せている諸伏に声をかける
緑｢…………｣
あれ。
怒ってる？
流石に寝起きに説教はやだな。
『諸伏さん。ごめんね。起きたよっ』
言葉を言い終わると同時に優しく抱きしめられる
！
諸｢よ…かった。……よかったッ｣
…ッ。
『うん。心配かけてごめんなさい。おはよう皆』
降｢で？説明してもらおうか｣
あっれー？
『今いい感じだったよね???』
皆さん涙目で喜んでくれてたよね？
松｢そんだけ怪我してりゃあ逃げれねぇだろ｣
うん。まぁね？？
『慈悲はねぇのか??』
伊｢話聞かせてもらったら看護師呼ぶ｣
『それは先に呼んで？』
萩｢納得するまで帰らないから｣
面会時間というものは存在するからね??
『ねぇ看護師さん呼んで???』
諸｢…………｣
無言でナースコール押したね??
ありがたいけど怖いです。
『……ちゃんと話すよ…』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1257人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
一匹狼の飼い主(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。ケセラセラ凄く好きなお話です。続く(更新停止中)となっていますが、続きを書くことはありますでしょうか？もし、続きを書くのであれば更新して欲しいです。続きが凄く気になります。 (4月5日 6時) (
レス) @page43 id: e826236d07 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 続き気になりすぎます、、 (4月3日 8時) (レス) @page43 id: 2af65047db (このIDを非表示/違反報告)
暁斗(プロフ) - 好きです…(泣) (2月5日 0時) (レス) id: 1a3630256b (このIDを非表示/違反報告)
焔 - 続きがめちゃめちゃ気になります！更新楽しみにしてます！待ってます！！！ (1月16日 23時) (レス) id: 4850a6f58f (このIDを非表示/違反報告)
もっちゃん(プロフ) - 神作品で見返したりしてます！更新楽しみにしてます！ (8月12日 22時) (レス) @page43 id: 924e2cc931 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
