短編集→→→2【LIP×LIP】

love you.me too.#勇次郎 ページ32

あ『何があったんです？』



勇「別に…何も」



あ『いや、絶対なにかありましたよね？』




ドラマの撮影の為、控え室で待っていると相手役の染谷くんが来た。

一個上の先輩で、裏表が激しい人。


同じLIP×LIPの柴崎くんも、染谷くんとよく似ている。裏表激しい。


でも、二人とも実力は確か。



今回のドラマは、恋愛もの。

机に置かれていた台本を手に取り、セリフを読み上げる。




あ『あのね…私ね、好きなの』



勇「え？何が？」



あ『あなたのこと、好きになっちゃったの。でも叶わないことくらい分かってる』



勇「そんなの分かんな『分かるの』…は？」



あ『私は、あなたのタイプではないもの…』




ほら。流石って感じ。
台詞覚えてるし。真顔でやってんのは草生えるけど。


アドリブでも入れてみようか。



勇「なんで…そう決めつけるわけ？」


次の台詞は、台本通りなら『だって私は…』と言いかけたところで、染谷くんが私を抱きしめる。
そんなシーン。


さて、アドリブに応えてくれるのか。




あ『だって私…知ってるもの。あなたが柴崎くんを好きだってこと！！』



勇「・・・は？」



あ『好きなんでしょう…？それなら、私はあなた達のことを応援するわ。その方が…あなた達の為にもなる気がするの。…そうよね？柴崎くん？』



愛「あーあ、バレてたか。そうだよ」



勇「え、ちょ…なんでいるの？」



愛「俺は染谷のことが好きだ」



勇「はァ！？」



あ『そうよね。分かってたわ。それじゃあ…お幸せにね』



愛「ああ、悪いな。こいつは俺が貰う」



勇「・・・だ。嫌だ。僕は…Aのことが好きなんだよ！！だから…だから…！！」



あ『え？嘘でしょ…？あ、あの…』



愛「おい…勇次r「僕と…付き合ってください」」




まさか、こんな展開になるなんて、誰が予想した？


元々、今日のコレは、ドッキリ番組の生放送のためだったのに、まさかの公開告白。

私も柴崎くんも、予想外の事態に混乱する中、問題のターゲットがまた口を開いた。



勇「ねぇ…いいでしょ、、A。僕と付き合ってよ」



あ『えっと…それは…え？ガチで？』



勇「ガチで」



あ・愛「『まじか』」



てか何故、てってれー！ドッキリでーす！のスタッフ来ないの！？おかしくない？
まさかの二重ドッキリ？？



勇「返事は…？」



あ『も、もちろん！！(？)』




これが二重ドッキリじゃなく、
ガチだったことを知ったのは数時間後。

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