抹消不可能【相澤消太】 (ページ5)

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第4話名前と繋がりページ5

主:｢……んー､皆には名前で呼んで欲しくて
わざと苗字は言わないでおいたんだけど｣

私は､未だそっぽ向いたまま私の顔すら見る気配のない爆豪の肩を笑いながら軽く叩いた｡

主:｢なんだ｡そんなに私の名前呼ぶの恥ずかしいんなら､仕方ないなぁ……そんな初心(うぶ)な爆豪のために､教えてあげるよ｡私のフルネーム!｣

爆:｢あ”あ!?違ぇわ!!誰が…｣

主:｢相澤あい｣

私がその名を出した瞬間､教室中がシンと静まり返り､教室中の視線がこちらに集まった｡

それを感じて､私は改めて名乗る｡

主:｢私は､相澤あい｡
これで少しは話してくれる?爆豪｣

｢｢あ……相澤!?｣｣

皆は驚いたように私の姓を反芻して声に出す｡

予想通りの反応に思わず私は苦笑を漏らした｡
無理もない｡
“相澤”と言えば､彼らはおそらく自分たちの
担任の顔を思い出すのだろうから｡

緑:｢あ､相澤って!……君って､もしかして
相澤先生と何か繋がりが…!?｣

主:｢あぁ〜…まぁ､所謂身内ってやつ｣

瀬:｢マジかよ!てか身内っつーことは､お前って相澤先生の家族か親戚とかにあたるってことか?｣

主:｢ん〜…実は私､しょ………先生の一人娘で｣

｢｢娘!?｣｣

またもやクラスメイトの大半が一斉に私の言葉を反芻すると､驚きのあまりか､皆呆然とした表情でポカンと軽く口を開けている｡
そんな彼らに向かって､私は真剣な表情を作って語る｡

主:｢これはあまり言いふらすなって口止めされてるんだけど……｡先生がまだ私たちよりも
年若い頃｡色っぽいおねーさんに
唆されてね………ん?えっ…だっ!?ったたたた!!｣

それは…一瞬の出来事だった｡
私の胴体に見覚えのありすぎる布状の捕縛武器が巻き付いたかと思うと､そのまま床に引き倒され､とある方向へズルズルと引き摺られてしまった｡

この状況は､今までに数え切れないほどに体験したことがある｡

そして頭上から聴こえてきた､地を這うような低音の声に私は冷や汗を流さずにはいられなかった｡

相:｢おい……ふざけるのも大概にしとけよ?
何あらぬ事実を淡々と言いふらしてやがるんだ…?あ”あ?｣

主:｢あ……はははは……なんだ……いたの?先生｣

殺気にも似た恐ろしい視線を向けられ続けるのに耐えられなくて､私は一心不乱に顔を逸らし続けた｡

……つい最近､久しく再会したこの人は相変わらず､手厳しい｡