抹消不可能【相澤消太】 (ページ20)

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第19話─USJ襲撃編─ 夢ページ20

ﾏｲ:｢……あい､大丈夫だって｡
オレが来たからには､もう大丈夫｡
約束するぜ?…消太はぜってぇ助ける｡…な?
だからさ……安心しろって｣

主:｢っ………ひ､ざし………｡｣

マイクは優しい声色で､酷く､泣きたくなるような優しい手つきで私を抱き締めた｡

私はそれに､酷く安心してしまって｡

そのまま意識を闇に手放した｡

────あの日の空は､確か…泣いていた｡

目の前には､真っ赤に染まった…あの人が
倒れていて｡

私の視界も真っ赤に染まるのが､わかった｡

『────だいじょうぶ』

だけど､その赤もすぐに色を失って…
またすぐに灰色に戻った｡

『だいじょうぶだ……｡
俺が来たから……俺がいるから､もう大丈夫｡
何も気にしなくていい……思い切り､泣け』

そう言って私を抱き締める消太の身体は､
酷く冷たくて……酷く､震えていた｡

主:｢………………ん…?｣

気が付けば､どこかの天井を見上げていた｡

夕暮れ時の…茜色の光を帯びた白い天井を､
見上げていた｡
上体だけを起こして辺りを見回すと､どうやら
ここは何処かの病院の病室らしい｡

なんだか…懐かしい夢を､見た気がする｡

っていうか…あれ?私…今まで何してた?
確か……USJで敵(ヴィラン)の襲撃にあって……それから────

思い出されるのは､新たに脳裏にこびり付いた
一つの光景｡

枝のようにあらぬ方向へと折られた両腕に､
血に濡れた青白い顔で倒れたまま動かない､
痛々しく変わり果てた､消太の姿────

｢…………起きたか?｣

主:｢…………へ?｣

不意に､聞き慣れた低音の声が聴こえた｡
少し掠れてはいたが､あれは間違いなく───

シャッ…｡

相:｢ん………やっと起きたか｣

主:｢………………え……ミイラ……?｣

相:｢………誰がミイラだ｣

声が聴こえた隣の仕切りを開けると､
そこには全身を包帯で巻き尽くされたミイラ…
否､消太が横たわっていた｡