狂った愛を君に捧げよう【飴村乱数】

. 寂雷side ページ38

｢困りましたね…｣



私は一人､誰も居なくなった病室で頭を抱えていた｡

原因は飴村くんだ｡暫く会わない間にAさんに近づいているらしい｡

私が見たのではなく､幻太郎くんから｡



決して悪い訳では無いが､彼にあまり好感を持てないのでどうかと悩んでいる所｡

勿論､Aさんには近づかないで欲しいが本音､だが彼女が望むのであれば…私は否定が出来ない｡


唸っていると携帯からメールの着信音｡画面を見れば"小倉A"と文字が浮かんでいた｡





A夜分遅くにすみません｡もしよろしければ､飴村乱数についてご相談したいのですが…



神宮寺 寂雷奇遇だね｡私も話したいと思っていた所だよ



こんな好都合は滅多に無いので､話を進めることにする｡





神宮寺 寂雷電話は出来ないのかな?出来ればそっちの方が早いんだけど…



Aすみません｡少し厳しいので｡バレてしまうとまずいので




一瞬だが､文面におかしな部分が見つかる｡


"バレるとまずい"か…どういう意味だろうか…





神宮寺 寂雷何かあるのかな?言いづらいなら大丈夫なんだけど…


Aそれが



それだけを打ち､Aさんからの反応が一時的に止まった｡

さっきから様子がおかしい…電話をかけてみますか…



メールの画面を閉じて､電話をしようとした瞬間､またAさんからメールが届く｡


すると目を疑う文面が見えた｡




Aじゃっくらーい!おっひさー♪僕だよ!



神宮寺 寂雷どうして貴方が出ているんですか




その文面は明らかに"飴村くん"そのものだった｡

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