.一郎side ページ16
乱数が女性調べを俺に任せるなんて滅多にない。
特定の女性を持たない乱数は基本、自分で調べるのが無難だが、今回は傷つけたくない女性なのだろう。
「小倉…Aか…何で調べて欲しいんだ?」
メモ帳に彼女の名前と姿の特徴、個人情報をまとめて書いた。
乱数の表情は明るく、どこか期待している顔をしていた。
「そのおねーさん、中々懐いてくれなくてねー?だから仕事についてとか、趣味とかを知りたいっ!でも僕が近づいて調べてたらバレちゃうでしょー?だから一郎に頼んだの」
あざとく、声を弾ませながら理由を語っていく乱数に嘘偽りはないと悟る。
にしても乱数がこんな喋り方をするなんて珍しいな…
「成程なぁ…」
と、依頼内容を聞こうとした瞬間、俺のスマホから大好きなアニメのOPが流れる。
恥ずかしさを感じ、乱数を見つめるとじっと俺を見つめていた。
「あ"ごめんな、少し出てくる」
逃げるようにその場から立ち、スマホを取り出しながら、奥に入っていく。その時、丁度三郎と入れ違い、軽く会釈をすると三郎は分かってくれたようで緑茶の入ったコップをお盆に乗せて、応接間に向かった。
「全く…誰なんだよ、こんな時に…」
スマホの画面を見つめるとそこには"寂雷先生"と書かれた文字があった。
寂雷先生からの電話は殆どない。謎の緊張感を纏わりながら、着信ボタンに手をつけた。
「もしもし、先生?」
『あ、繋がったね。』
電話越しでも分かる寂雷先生の声に少し肩が上がる。
「あー寂雷先生…?ご要件は…」
『あぁ、すまないね。唐突で申し訳ないんだけど、そこに飴村くんはいるかな?前に飴村くんがある女性について自力で調べると言っていたから、もしかして一郎くんのところに頼っているんじゃないかと思ってね。』
「そうなんですか…それが何か大変な事になるですか?」
寂雷先生の言うことが今の状況と瓜二つだ。そうなると何かあるに違いない。詳しく聞かないと。
『その時の飴村くんの様子が可笑しくて、その女性と私は飲んでいたのだけど、何故か監視していて、目付きも可笑しかったんだ。もしかしたら、飴村くんは彼女を好きになったんじゃないかと思ったんだけど…』
特定の相手を作らない乱数が…誰かを好きになった…って事か…?
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あやりな(プロフ) - ACNEさん» 続きはどんどん更新中だからねっ!早く読んで僕の活躍を見ててね!これからもー応援よろしくねーっ! (2019年8月19日 15時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
ACNE - 続きがまちどおし((…ワクワク(#´∀`#) これからも頑張ってください! (2019年8月19日 14時) (レス) id: d9fccfe3cd (このIDを非表示/違反報告)
あやりな(プロフ) - まふさん» そーなのー!?それはショック…ってそんな訳ないよ!これからもっと僕の事を好きになってよ!僕も君のこと大好きだからさ!またお話しよ! (2019年7月17日 17時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
まふ(プロフ) - コメント失礼します。らむださん最初はあまり好きではなかったのですがこの小説みてからとっても好きになりました!これからも更新頑張って下さい (2019年7月17日 16時) (レス) id: b1440280f1 (このIDを非表示/違反報告)
あやりな(プロフ) - 叶夢さん» おねーさん、僕の事応援してくれるのー!?ありがとうー!ぜっーたいに!君の事、奪いに行くからねっ!待っててよぉー! (2019年6月16日 11時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやりな | 作成日時:2019年5月14日 21時