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「渋谷の病院じゃなくて新宿なの?なら何でここに住んでるの?」
勢いのまま、早口で質問してしまった。
Aは戸惑いながらも、しっかりと僕を見つめて口を開く。
「んー住みやすかったからかなぁー?人情も良いし、家賃も安かったし!」
理由は至ってシンプルだ。でも職場が新宿…それに寂雷の病院に違いない。
あれだけの近さで喋るということは相当な位にいるはず。
「ふーん、成程ね。それって、寂雷のいる病院?」
流石にジジイと呼ぶのは辞めておこう。色んな意味で危ない。
Aちゃんは目を見開かせて、大きく頷く。
「そうだよ〜寂雷先生の近くで働かせて貰ってるの。一応、看護師だから、子供とか大好きなんだよねぇ〜」
「んふふ」と嬉しそうに口を緩ます。何であんなやつのことを好むのかが分からない。
古い頭で何を考えているのかすら分かんないのに…
「そうなんだぁ〜でもさ、寂雷と一緒に働いたってつまんないでしょ?あの人、流行とか乗れないし〜僕のファッションとか、馬鹿にしてくるからだーいっきらい!」
僕が鼻を鳴らしながら、ジジイの嫌いな所を話すと、Aの目付きが変わった。
さっきまでの穏やかな目ではなく、殺しにかかるような、本気の目だ。
「…寂雷先生を馬鹿にしないで。」
冷たく放たれた言葉に身体が震えた。
あんなに可愛かったのに、ジジイの事を出すとこんなにも急変するなんて…
最高じゃないか。
「あ、ごめんね!口が滑っちゃった!もう言わないからさっ、許して?」
両手を合わせて、拝むように軽く一礼する。するとAちゃんは満足したようにさっきの表情に戻る。
「分ればいいんです。乱数さんも少しは寂雷先生の言葉に耳を傾けてみてはどうですか〜?」
「あ、うん!そうするよ!」
絶対しないかな。
───それから、話をしながら分かったことがいくつかあった。
年齢と身長は僕より上で、あんまりファッションには興味ない。一応、僕のFlingPosseの事は知ってくれているらしい。
良い収穫が出来た。これから毎日構わないとなぁ〜♪
「ふぁ〜眠くなって来ましたね…」
「そうだね〜もう3時回るし…Aちゃんも寝ないとヤバいんじゃない?」
「大丈夫です、明日はお休みなので…」
眠そうに目を擦りながらAは立ち上がる。
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あやりな(プロフ) - ACNEさん» 続きはどんどん更新中だからねっ!早く読んで僕の活躍を見ててね!これからもー応援よろしくねーっ! (2019年8月19日 15時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
ACNE - 続きがまちどおし((…ワクワク(#´∀`#) これからも頑張ってください! (2019年8月19日 14時) (レス) id: d9fccfe3cd (このIDを非表示/違反報告)
あやりな(プロフ) - まふさん» そーなのー!?それはショック…ってそんな訳ないよ!これからもっと僕の事を好きになってよ!僕も君のこと大好きだからさ!またお話しよ! (2019年7月17日 17時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
まふ(プロフ) - コメント失礼します。らむださん最初はあまり好きではなかったのですがこの小説みてからとっても好きになりました!これからも更新頑張って下さい (2019年7月17日 16時) (レス) id: b1440280f1 (このIDを非表示/違反報告)
あやりな(プロフ) - 叶夢さん» おねーさん、僕の事応援してくれるのー!?ありがとうー!ぜっーたいに!君の事、奪いに行くからねっ!待っててよぉー! (2019年6月16日 11時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやりな | 作成日時:2019年5月14日 21時