. ページ20
三郎からAちゃんの事を教えて貰い、何十分過ぎたのだろう。
Aちゃんの事ですっかり話し込んでしまって、午前だったのが午後に近づいていた。
「…三郎くん、そろそろ帰んないと一郎が慌てちゃうけどだいじょーぶ?」
「!ほ、本当ですね…いち兄が心配してしまいます…そろそろ帰らないと…」
時間を確認すると慌てて反応するに僕は優しく微笑みかける。
「…この事は一郎にナイショね?理由は友達を見かけて遊んでたって言っとけば一郎は信じちゃうよ」
席から身体を浮かせ、顔を近づけて耳打ちした。椅子にまた戻ると、三郎は念入りに頷いた。
この子なら言うなんてヘマはしない。信じられるもの。
「あの…本当に支払って下さるんですか?結構食べてしまって…」
よく見ると机の上にはスイーツ等のお皿が多く見える。僕と三郎が自然と頼んでしまった物だ。
流石にこの量を中学2年生には払わせられない。
元々僕が奢る予定だし、三郎は気にしなくても良いんだけどなぁ…そこがかっこいい所なのかも。
「へーき!へーき!このぐらいへっちゃらだよっ!」
ニカッと笑う僕に安心した三郎は胸を撫で下ろす。
そんなに心配していたのか…
「それでは、失礼します…乱数さん、ご馳走様です…!」
深く一礼すると駆け足で店から出て行く。
そんな三郎に後ろから手を振って、別れを惜しむ。
「…さてと、出ますか」
三郎が見えなくなると、レジへ向かって歩み始める。
伝票には驚きの数が見えていたことは察して欲しいな。
店を出ると午前とは違う、暑い太陽が僕を出迎える。
さっきの時間は思い出に残るぐらいの一時だった。
Aについても知れたし、三郎の事も。
そして何より…
げんたろーが敵ということに胸を打たれた感覚だった。
これからどうしようと悩む僕に一つの案が浮かんだ。
スマホを取り出して、渋谷に住んでいるおねーさん達にある文を一斉送信した。
"小倉Aを見つけてくーださい♡渋谷に住んでるから、分かるよね?見つけてくれたら、今度楽しい事しよーね♪"
自分の人脈を忘れていた。一番使いやすくて、手軽に出来たのに。
負けてらんないなぁ…げんたろーには。
.
僕はキミの為にどんな手段でも使うからね。
──
※第二章終わりです。第三章突入します。
277人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやりな(プロフ) - ACNEさん» 続きはどんどん更新中だからねっ!早く読んで僕の活躍を見ててね!これからもー応援よろしくねーっ! (2019年8月19日 15時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
ACNE - 続きがまちどおし((…ワクワク(#´∀`#) これからも頑張ってください! (2019年8月19日 14時) (レス) id: d9fccfe3cd (このIDを非表示/違反報告)
あやりな(プロフ) - まふさん» そーなのー!?それはショック…ってそんな訳ないよ!これからもっと僕の事を好きになってよ!僕も君のこと大好きだからさ!またお話しよ! (2019年7月17日 17時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
まふ(プロフ) - コメント失礼します。らむださん最初はあまり好きではなかったのですがこの小説みてからとっても好きになりました!これからも更新頑張って下さい (2019年7月17日 16時) (レス) id: b1440280f1 (このIDを非表示/違反報告)
あやりな(プロフ) - 叶夢さん» おねーさん、僕の事応援してくれるのー!?ありがとうー!ぜっーたいに!君の事、奪いに行くからねっ!待っててよぉー! (2019年6月16日 11時) (レス) id: 13a7eba215 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやりな | 作成日時:2019年5月14日 21時