卑しき狗は笑わない 参

佰肆 体目（104体目） ページ31

朝、

起きて仕事に行く時のことだった。



『？』




目の前に忍者っぽい姿をした男が立っていて
しかも私に刀を向けている。




「お前は主人殺しの猟犬、だな？」



そっちで呼ぶなら
警察系か、はたまたただのクズか。

どちらにしろ面倒ごとは避けたい




『いいえ、人違いかと』




「しらばっくれる気か」



そう言うとクナイを投げてきた。
ただのコスプレイヤーかと思ったが、
もしかして本物か？



「避けれたならこれも避けれるよなぁ！」



次々とクナイや手裏剣を投げてくる。
しかも全て早い。
避けるのもギリギリだ。




「斬灯・クナイ」



全てのクナイを切ったが
あいつはどこにもいなかった。



『？』


「風刃脚！」


頭上を奴の足が通る。
勢いでしゃがんで回避したが、
避けた足は壁に凹みを与えた。


当たったら頭蓋骨が砕けるかもな。



「爆裂手裏剣！！！」



投げられた手裏剣は私の近くで爆破し、
私はその爆風で地面に叩きつけられた。



『うっ』



「終わりだ」



倒れた私の上に乗り
刀を振りかざす奴



終わり？どうだろうな。




『斬灯・刀』



「！！！」



刀を切り、奴を突き飛ばす。




ついでにあいつの情報を見ておくか。




『視報・報狗』



音速のソニック？
そこそこの実力者か。



「まだだ！俺をまだ楽しませろ！！！」



私も仕事があるし、




『すまないな』



神経を耳に集中させ、
目を閉じる。



目を開いてみたとしてもあいつの攻撃は肉眼では見えない。



感覚で避けるしかない。




壁や床などにクナイが刺さる音が聞こえる。
痛みはない、どうやら避けれているようだな。





『そこか！！！』




私が銃を向けて撃つと、そこにはソニックが驚いた顔をしていた。
ソニックは素早く銃弾を避けると私の後ろに回った。




「今度こそ」



そして私の首に刀を向けた。



「何してんだ」



ソニックが刀を私ではなく現れた男に向ける。




「遅かったな、サイタマ」



「こっちもヒーローの仕事しなくちゃね」



二人は戦い始めたので、私はその場を立ち去った。
ポートマフィアへ戻る際、
ソニックがサイタマという男に一発殴られ、
吹き飛ばされるのがチラリと見えた。





『あいつ、化け物か？』





何はともあれ、仕事終了
何やら森鴎外が新しい任務があると言っていたからな。

いまは、4時位か、先ほどの仕事で結構な時間を使ったからな。早く帰ろう。

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