卑しき狗は笑わない 参

捌拾捌 体目（88体目） ページ13

翌日


『………早く起きすぎた』



今の時間は四時くらい、
3時に近いか？




取り敢えずその位の時間だ。




『………朝ごはん作るか』




いつも中原に任せっきりだからな。
何を作ろうか、………冷蔵庫に何もない。





『買いに行くか』



ーーー
ーー
ー



そして、扉を開けた時、見覚えのある顔が見えた。




『Sっ！』





そう言った後、何かで殴られたような衝撃があり、私は意識を失った。




横目で見たらSがニヤリと笑っていた。






ーーー
ーー
ー




〜中原 視点〜





「ふわぁぁ〜〜、、、」




朝か。まだ寝みぃ





「………A？」





ソファを見ても部屋のどこにもいない。



テーブルの上に書き置きが、
《買い物に行ってくる》




「なんだよ、買い物か」




その下に小さく、《3時21分》と書かれていた。

今の時間は5時






「さすがに時間かかりすぎだろ」





何処となく、嫌な予感がした。





『すまない、中原』


扉が開かれ、袋を持ったAが入ってくる。




『買い物に行っていてな。すぐに朝ごはんを作ろう』





キッチンに行くと、急に振り返り、




『あ、眠気覚ましにコーヒー飲んでおくか』




といいコーヒーの準備をし始めた。




こいつ、本当にAか？
話し方とかは同じだが、何かが違う。




テーブルに座るとなぜかそこにはブラックが二つ。





やっぱりこいつAじゃねぇ





「ちょっといいか？」




俺はそいつに近づき、手を引いた。



そして、頭に銃を突きつけた。





「お前は誰だ」




『な、何を言っているんだ中原。
私は夜闇…』





「あいつは、俺がブラック飲めねぇの知ってんだよ」






睨むとそいつはフフフッと笑った。




『アハハッ、流石に気づいちゃったか』





「まぁ、あれぐらいで騙されるようじゃ、
僕がここで殺 してたけど」




クスクスと笑うそいつ、
くるっと一回転すると、その姿は餓鬼に変わった。




「お前は誰だ。Aを何処にやった」






「一つは、答えられないけど、

二つ目は答えてあげるよ」




「君はギルドって知ってる？」





「ギルド？」





「取り敢えず、そのギルドのボスから依頼があってね。Aを連れてきてほしいって言われたから、ギルドに連れて行った」





「てことはAはそのギルドっていうとこにいるんだな」





「そうだよ」



俺は扉を勢いよく開け、飛び出した。

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