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黒服『うわぁぁ……緊張する……』
黒服『俺もだ。足ガチガチだぞ……』
貴女『………………』
黒服『Aは流石に慣れてるのか?』
貴女『あんな場所に慣れるはずがない』
Aの頬を冷や汗が伝うのを見て、それ以上誰も言葉を発さなかった。
黒服『入れ』
私達に命令形で入るよう促したのは、マフィア首領の側近を努める上級の黒服。
そして、扉が開いていく。
普通に開かれているが、私にとっては随分ゆっくりだと感じられた。
他の黒服も恐らくそうだろう。
先頭には最下級構成員の中で私が属するグループのリーダーがいる。
マフィアのことも知り尽くしていて、じぶんよりも年上だし、とても頼りになる存在だ。
扉が開けば、まず人選を確認する。
中にいたのはまず、森鴎外。
エリス嬢はいなかった。
そして、幹部の尾崎紅葉。
幹部候補の、中原中也と太宰治。
どうやら私が緊張すべきだったのと、グループの後ろの方にいたのは正解だったらしい。
ここなら自分の前にいる背の高い黒服たちがいるおかげで、自分から部屋を見渡すことは出来ないし、向こうからも見えない。
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作者名:AiRA | 作成日時:2018年3月28日 11時