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その細い腕に押された時、私の心臓は数秒間停止していただろう。
私は押されてなんとか着地をした。
でもその直後には、私の視界にAは映っていなかった。
あるのは、ただ下に無造作に積まれた鉄骨。
志賀『馬鹿な……!!おい!Aを今すぐ出すぞ!!』
琴葉『うぅぅ…………ぐっ……Aさん……!!』
立原『っ……………姐人……!』
だから、これだから嫌なんだ。
仲間なんて────
触るな、私の、私の大切な妹に────
私のAに触るな────
こう思っている私は、本当に汚い人間なのだろうね。でも許して、A。
ガシャンッ!!!
私は鉄骨を蹴り飛ばした。
鉄骨はまたもや無造作に放られる。
一同が驚いたように私を見るが、そんなこといちいち気にしている暇はない。
一刻も早くAを医務室に、自分の腕で連れていかなくては気が済まない。
鉄骨の中からAを見つけると、そのまま横向きに抱えて、近くにいた黒服に車を出すように命令した。
後ろで中也が何か言っていたようだが
私の耳には何も入ってこなかった。
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作者名:AiRA | 作成日時:2018年3月28日 11時