いただきます【太宰治】

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何となく、太宰さんが濡れて帰ってることを予想して、バスタオルを用意しておこうと思う。





「それじゃ、お先に失礼します。」

「また明日お会いしましょう！お疲れさまですわ」





事務職についてる方とアルバイトのナオミちゃんに挨拶をして帰る。
いくら国木田さんに許可をもらっているとはいえ三十分も早めて帰るのは申し訳なかったので事務職の方には今度お菓子を作ってくることで了承してもらった。

現在五時半、今から具材を買いに行って料理をして太宰さんが帰ってくるであろう時間に合わせるには十分すぎる時間だ。
今日作るものはオムライスと温野菜サラダ、カニが入っている千草焼だ。卵の割合がだいぶ多い気がするが、今日は自分の好きなものを食べる日だ。そんな事はあまり気にしない方がいい。





「とりあえず、カニ缶」





野菜や卵などはあったはずなので、なかったような気がするカニ缶を買いにいく。
武装探偵社は知ってる通りかなり危険な仕事をするのでかなりお給料がいい。事務員だったとしても。なのでいい感じに食料も買いだめすることができる。

あと他になにか買っておくべきものはないだろうか。太宰さんの包帯はまだあったはずだ。念のためにストックを買っておくべきだろうか。
そんなことを考えながらふらふらとスーパーへ向かった。




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スーパーに付き、いつも通り買うものを持ってお会計をする。
この世界にも慣れたものだとつくづくおもう。最近はなんだかホームシック気味である。17歳とはいえまだまだ子供だ。たまに寂しくなることはある。

ふぅ、と一息ついて気を取り直す。
今から帰って作っていたらいい感じの時間になるだろう。私はカニ缶が数個入ったビニール袋とお財布や筆記用具などが入った小さめのショルダーバッグを肩にかけて帰路についた。




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いつも通りの帰り道。なんとなく寄り道をしたくなってくる。
誰しも道草を食ったり、遠回りをして家に帰ったことや、したくなるときはあるだろう。私は今がそうだ。なんだかんだ言ってまだこの土地の土地勘はあまりない。迷う可能性がかなりあるが、まあそこは大丈夫だろう。

ふと、裏路地までとは言わないが普通の道よりも小さめの道を見つけた。
ここから社員寮までの距離や道は大体わかっているので、途中からいつもの道に合流する形でこの道を進んでみようと思う。

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