いただきます【太宰治】

入社試験 ページ21

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「太宰さん。私武装探偵社入社したいんです。」




そう太宰さんに言うと、意外だという顔で見られた。
私がこういう思考に至ったのは簡単。自分でお金を稼ぎたいと思ったからだ。現在私は太宰さんからお金をもらって食費だとか買い物だとかをやりくりしている。だが、いつまでたってもただの居候でお金をもらっているだけでは申し訳ないと思ったのだ。

あと、単純に武装探偵社の仕事に興味があったというのもある。




「Aちゃんが探偵社に入社したら賑やかになりそうだ。私から社長に話しておこう。」

「え、いいんですか？」




まさかこんなにスムーズに社長に話していただけることになるとは思わなかった。てっきり多少の理由などを聞かれるのかと思っていた。
まあ、スムーズであることに何も損はない。私はまだ本当に入れるかすらわからない探偵社に入社した時の自分の想像を膨らませた。




「それじゃあ、そろそろ行こうか。」

「了解です。」




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「それじゃあ、いつもどおりで」

「はーい」




武装探偵社に付き、私はいつもどおりナオミちゃんと一緒に探偵社の書類整理等をし始める。ナオミちゃんとお話するのは想像以上に楽しく、最近できたカフェの話であったり、谷崎さんや太宰さんの話など、話の内容は多種多様だ。

十枚ほどまとめたところで、ナオミちゃんが追加の書類をもってきた。




「Aさん、太宰さんがお呼びでしたわ」

「ほんと？ありがとう」




そう言われたので、太宰さんのところへ行く。
入社の件だろうかと少しドキドキしたが、そんなことはなかった。内容は備品を買ってきてほしいとのこと。デジャヴを感じながらメモを受け取り確認する。




「少し量多めですね。」

「まあ最近行ってなかったからねえ。仕方ない。」




トイレットペーパーにカルテ、包帯、乱歩さん用の駄菓子など、いつもどおりのものも合わせて、コピー機の紙などいつもは買わないようなものもある。
とりあえずぱぱっと済ませてしまおうと私は武装探偵社を出た。

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