3 ページ4
・
マフィアのビルに帰ってから、既に出来てある書類を持って中也さんの執務室に行く。恐らくもう任務から帰ってきて書類作業に取り掛かっている筈だ。
コンコン
「誰だ?」
「僕です。書類を提出しに来ました。」
「Aか。入れ」
「失礼します」
部屋に入ると、案の定椅子の上で脱力している中也さんを発見した。書類と万年筆が机の上に無造作に置いているので先程までしていたようだ。可愛い。
口角が上がるのを必死に抑えながらポーカーフェイスを保つ。
「中也さんお疲れ様です。書類ここに置いておきますね。お茶いります?」
「嗚呼、ありがとな。珈琲で頼む」
「中也さんそれお茶じゃないです。」
「そうだったな。」と笑う中也さん。部屋に元々ある珈琲豆をコーヒーミルに入れ、珈琲を作る。ふぅ、と息を吐く様子を見て、随分疲れているようだ。
そういえば昨日も一昨日も任務続きで書類をやっていたような。うっすらと隈も見える。
「中也さん出来ましたよー......中也さん?」
中也さんの反応がない。どうしたのかと思い椅子を覗いてみると、目を瞑った中也さんがいた。どうやら寝ているようだ。
折角の珈琲が冷めてしまうし、椅子ではなくベットで寝てもらわなければ困る。
「中也さーん」と肩を叩きながら呼びかけると、うっすら目が開いた。
「中也さん。任務と書類続きで疲れているのは分かります。せめてベットで寝ましょう?」
「んー、A......」
「はいAですよ中也さん...?!」
中也さんは寝惚けているのか僕に座ったままもたれてきた。顔をお腹の辺りにグリグリされて少し擽ったい。だがそれ以前に心臓が五月蝿い。頭に自分の無駄に大きい心音が響く。
本当にこの人は...
「ち、中也さん。ベット、いや、せめてソファーで寝ましょう。」
今にも震えそうな声を振り絞って、中也さんに訴えかける。だがそれも虚しく、中也さんは「んー、」と云うばかりで耳に入っていないようだ。
暫く呼びかけていると、次第に中也さんは喋らなくなり、規則的な呼吸音が下手に響いた。勿論、僕のお腹に頭をもたれさせたまま。
「本当にこの人は......」
きっと今、僕の顔は過去1赤くなっているのではないだろうか。もう少しこのまま、あわよくば一緒に寝たいという欲望を必死に押え、中也さんの頭を机の上に移動させた。
ついでにソファーに敷いてあったクッションを頭の下に敷いて、僕は執務室を後にした。
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
I am水 - こういう男主と中也さんの掛け合い大っっっ好きです…ありがとうございます… (8月11日 14時) (レス) @page7 id: f9c19b65bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かっこんとう。 | 作成日時:2023年1月15日 17時