努力家と天才の偽り。Sh7

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Aside


この時、私の中のこれまでずっと溜まっていたものが一瞬で出てしまったように感じた


目の前で泣き崩れる晴香さん。


そして泣かしたの？と言わんばかりの視線


森「まぁ、まぁ晴香ちゃんも泣き止んで…」


松田「なんだなんだ！！」

人は2度と過去には戻れない。


そう、タイムマシーンとかない限り。


私はただ一生懸命働いていただけなのに


『すいません、失礼します』


私は泣き崩れている晴香さんを置いてそこから立ち去った


それが1番やっちゃいけないってことぐらいわかってる


だけど、私が悪いとも思わない。


そのまま廊下に出た


試合が勝って嬉しいはずなのにどこか沈んでしまう私の心。


『どうしてこうなった？』


上林「Aさん！」


グイッ


腕を引っ張られた


『上林…選手…？』


私の手を握って引き止めたのは上林選手だった


『どうしましたか？アイシングですか？

それならあっちですよ？』


上林「これから空いてる？」


へ？

『空いてはいますが…明日は移動日ですよ？』


上林「うん、だから2人で行きたいお店あるし」


何故この人はこんな話をしてくるか分からなかった


さっきの事を一緒に見ていた人なのに


『大丈夫ですよ。』


上林「じゃ、ホテルのロビーに7:30に集合ね」


『あ、はい』


ホントは断るつもりだった…

だけどあの時握られた手が少し震えていた。



『……アホだよ…私誘うなんて……』

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