兄もアレなら妹もアレ3【白鳥沢】

131 アレって言うな ページ34

よし、いよいよ本番だ！





綺麗なドレスを着せてもらいメイクもした


「ってかさ、気になってたんだけどさ」



生徒会長はなんで私を主役にしたの？




「そーね。本当は村人Eぐらいのつもりだった」




村人Eだと！？




「んで、こき使ってやろうって思ってた。

けどま、気が変わっただけ」





気が変わったかぁー

良かった、村人Eじゃなくて…




「ほら、はやくいきなよ。始まるよ」




あ、うん！！






急いでステージに出るとたくさんのお客さん


あ、若利たちもいる！緊張はダメダメ！





「王子様と会ってみたい！」



やばいやばい！




ここまでは順調だけど流石に緊張する！！






「…。」


ここは喋れない部分だし、大丈夫か！





そして最後、ナイフで自分の胸を刺す





人魚姫って切ないお話だよね。
役に徹して改めて思った





好きな人がもし違う人のことを好きになったら



か。考えただけで辛いわ







「「以上！白鳥沢でした！」」



終わりの挨拶をして舞台裏に戻り着替える






化粧を落としてそこから出た





「Aーー！！」



「あ！見に来てくれてたんだ！」




ってかまさかの男バレ全員？
演劇部にちょー貢献してんじゃん笑




「Aさん、死なないでくださぃいい」




落ち着け工！私は死なない！



「ほんとですか？？」


うっ！その子犬のような目を向けないでくれぇ



「工を置いて死ねないよォ」





「ってか、Aやけに本気だったね役に」




「そりゃそーよ天童ー。やるからにはね！」




「そーいうとこ、木兎光太郎に似てるよね」




えっ！？




「まじかっ！それは嫌！」





ってかさ、

なんで賢二郎と太一と瀬見は泣いてるの？




「あー、工と同じやつだな」




「獅音は泣いた？」



「俺か？少しな」




ありゃ、私の演技そんなに凄かったの？





「人魚姫切なすぎます…」

「白布…タオル貸してくれっ」




なにやってんだあの2人爆笑







「おっ、いい所に！って牛島さん！？」

あ、生徒会長！



「？」


若利！誰みたいな顔しない！



「どーしたの？生徒会長！」


「写真、撮ってあげる」




え！？会長、デレ期？




「何考えてるわけ！？はやくしなさいよ！

撮らないわよ！」





あ、はい！！




ほら！みんなもみんなも！





「はい」




「「チーズ！！」」

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