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とぅーるるるるるん！とぅるるん！
貴方のことを教えてほしい。Aの言葉に黙りこんでしまった矢先、突然ぼくのカバンの中から電子音が鳴り出した。
｢お電話ですか？｣
｢そうみたいです。ちょっと失礼しますね｣
携帯電話を手に、Aの部屋から出る。話している途中だったのに、何て間が悪いんだ。そう思うと同時に、どこか安堵している自分もいた。
彼女とぼくの関係は、兄の部下と上司の妹、あるいはイタリア語の先生と教え子であり、それ以上でもそれ以下でもない。Aの発言にも、ぼくが一瞬想像してしまったような意味は含まれていないはずだ。
だけど。そうと分かっていても、可愛い女の子に面と向かってああいうことを言われてしまうと、少しドキッとしてしまう。...ぼくだって健全な十代男子なんだ、仕方ないだろ！
｢...コホン、もしもし｣
邪念を振り払い、携帯電話に耳を当てる。番号を確認し忘れたが、誰からだろう？ボリビアに旅立ってから消息の途絶えたミスタか？
｢ボンジョルノ、フーゴ。ジョルノです｣
今、一番声を聞くのが気まずい人物だった。
｢そっちはどうですか？｣
｢依然変わりなく。ジョジョはまだそちらに滞在するのですか？｣
｢ええ。視察は済んだのですが、どうもカルドゥッチ氏の一人娘に気に入られてしまったようで。強引なお嬢さんで、諦めてもらうのにしばらく時間が掛かりそうです｣
聞く人が聞けば嫉妬に狂い泣きそうな案件だが、ジョジョにとってはただ面倒なだけのようだ。苦い失恋に涙するであろうカルドゥッチ氏の娘に同情する。
その後も細かい近況の報告や情報交換が続く。何とジョジョもミスタと連絡を取れていないという。少し心配だが不死身な彼のことだ、まあ大丈夫だろう。
｢そうそう、Aは元気ですか？｣
ついにきた。
｢...ええ、元気ですよ｣
｢それは良かった。早くあの子に会いたいなあ....｣
うっとりとした声。ここ数週間、ぼくがほぼ毎日彼女と二人きりで会っている(無論やましいことは何もないが)と知ったら、彼はどんな反応をするだろう？
...考えるだけで恐ろしい。それに、Aから兄さんには秘密にしてほしいと頼まれているのだ。絶対にバレる訳にはいかない。携帯電話を掴む手に力が籠る。
｢ところでフーゴ｣
.
｢どうしてAの部屋から出てきたんだ？｣
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あさはか金魚(プロフ) - 面白い！こんな面白い作品を作っていただきありがとうございます！！ (2020年8月2日 10時) (
レス) id: bae01be7f3 (このIDを非表示/違反報告)
伯(プロフ) - tamaさん» コメントありがとうございます！最初にコメントくれた方ですよね？ずっと読んでくれていたこと、感謝します。これからも頑張ります！ (2019年11月14日 0時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - お久しぶりです！31話からもうわくわくでした！頑張って！ (2019年11月12日 20時) (レス) id: 85d88e1cc2 (このIDを非表示/違反報告)
伯(プロフ) - 美琴さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてなによりです！ハロウィン後半のテーマは『あの人達と一日限りの邂逅』です。もう11月ですがまだハロウィン回は続くので楽しんでいただけると嬉しいです！ (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
伯(プロフ) - 幽銀さん» コメントありがとうございます！作者も読んでくださる読者の皆さんがいっぱいしゅき…… (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伯 | 作成日時：2019年9月3日 4時
