彼女にとって【東堂尽八】

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時は遡り、時刻は4時前。
未悠がチャリ部の部活見学に来ると、何人かの部員が彼女の方に寄ってきた。




部員「君、マネージャー志望？」

部員「かわいーね！番号教えてよ！」

部員「名前何つうの？」




未悠「あ、えっと、黒瀬未悠って言います。一応、マネ希望で今日は見学にきましたっ…。」




ニッコリ笑顔でそう答えた後、未悠はキョロキョロと辺りを見回した。何かを探しているようだった。
しかし、彼女が探している人はまだきていないようだ。まぁ、そのうち来るだろうと思いあまり気を落とすことはない、と自分に言い聞かせた。




部員「マネージャーとか本当最高だろ！」

部員「女の子がいるとか幸せ！」




未悠は不思議に思った。
部内には私がいなくても女の子がいるはずじゃなかったのか？マネージャーじゃないなら、あの新歓のときの綺麗な先輩は誰なんだ。あと、友達の言っていた黒髪の女もいるんじゃないのか？




未悠「あのー、この部活に女の先輩っていないんですか？」




未悠のその声に気づき、1人の部員が答えてくれた。




部員「ああ、いるよ。天龍レイ先輩。ほら、新歓で司会やってた…うちの学校の副会長。でもまぁ、あの人はなぁ。」

部員「絶対無理だよな…。」




未悠「どうしてですか？…その、天龍先輩、は彼氏さんでもいるんですか？」




未悠はカクン、と首を傾げ瞬きをする。

まぁあんなに綺麗で可愛い先輩なら、彼氏の1人や2人いてもおかしくないだろう、と未悠は考える。…いや、2人いるのは絶対おかしい。




部員「まぁ、そんな感じかな？因みに黒瀬ちゃんは彼氏いんの？」





彼女を取り囲む全員が、期待の目で見つめてくるので、結構怖いし、恥ずかしかった。




未悠「えっとぉ…」




「ワッハッハ！オレが来たぞ！東堂が来た！」

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