55曲目 打ち上げ ページ5
「ライブお疲れ!かんぱーい!!」
「「「「乾杯!」」」」
うらたさんが音頭を取り、五人でグラスを合わせた。
今は深夜3時、四人はライブ終わりの関係者で行われる打ち上げが終わり、家に帰り、更に五人だけの打ち上げが始まった。
私は一足先に帰り、準備をしていた。
といっても皆はもう食べてきてるので、軽いつまみを買って開けただけだが。
それにしても、この人達元気である。
「今日も疲れたー。
ほれ、さかちん、呑め呑め、うりうりー」
「っあ゛ー酒が美味いーうまいー!」
「坂田おっさんやん」
「これが女の子達には可愛く見えてるんやなぁ…
「ラマンも呑め呑めー」ちょ、俺は明日仕事あるから」
明日仕事あるのか!まじかー!大丈夫なん!?と四人が笑いだした。
やはり元気でも疲れているようで、今日はいつもよりも笑いの沸点が低い。
そんな様子を見ていると、隣に座っていたうらたさんが私の肩に腕を回す。
「なーどうだったー?俺らのライブー。
惚れた?惚れちゃった?」
ちょ、うらたさん酔うと絡みが面倒くさいです。
でもまぁ、今日くらいは何も言わずにされるがままになりましょうか。
「…はい、皆、とてもかっこよかったです」
素直に言うと、先程まで大騒ぎしていた四人がきょとんといた顔でこちらを見る。
「なぁんやそれぇもうAかーわーいーいー!」
「ほんま普段仏頂面なんにいきなり可愛いこと言い出すから、かわええなぁ」
「あー、眠くなってきた…」
うらたさんとは反対側の私の隣に座る坂田さんが頬ずりをしてきて、センラさんは向かい側から腕を伸ばして私の頭を撫でる。
うらたさん、私の肩に頭を乗せて寝るのはやめてください。
今日は皆さんおっさんですね。
酔ったら誰しもおっさんなんでしょうか。
と思っていると、何もしてこない志麻さんが逆に目立ってくる。
センラさんの隣に座る志麻さんを見やると、彼は顔を真っ赤にして私を見ていた。
つまみを手にしたままその手は止まっている。
「…志麻さん?」
「あ、おう。何や?」
「…酔ってます?」
「…いや、そらまぁ酔ってはいるけど」
私がじーっと志麻さんを見ていると、
あーもうこっち見んなや!
と顔を隠しつまみを口に放り込む。
照れ屋か。
その後も四人は談笑をしながらお酒につまみに、打ち上げを楽しむ。
私も、今日のライブでの興奮と共に酒を体内へ流し込んだ。
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Shooto_Keeki(プロフ) - たまたま見つけて読んでました。もう本当に最高でした、最後の展開で泣きそうになっちゃいましたよw (2019年9月22日 19時) (レス) id: 7c93d27e64 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 時雨さん» 最後までお読みいただき、ありがとうございました!涙だなんて、そんなに感動していただけてとても嬉しいです…! (2019年1月31日 9時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - とても凄くて感動しました…!!(語彙力低下)最後涙が…;;素敵な作品、読ませていただきありがとうございました…!!!!!! (2019年1月31日 0時) (レス) id: 274b7ae121 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 夢愛-ゆあ-さん» 長編になっていますが、最後までお読みいただきありがとうございます!泣いていただける程感動してもらうことができ、私もとても幸せに思います。わざわざコメントまでいていただき、ありがとうございました! (2019年1月7日 22時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
夢愛-ゆあ-(プロフ) - とても面白くて一気読みしちゃいました…!最後の方は感動で涙が止まりませんでした…(涙)実は小説を読んで泣いたのって初めてで自分でびっくりしてます(((それほど素敵な小説に出会えて幸せです!今から番外編も読ませていただきます!長文失礼しました!! (2019年1月7日 19時) (レス) id: b3b95c5e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羽飛 | 作成日時:2018年11月14日 19時