【d!】僕らに訪れしライラックの想い 4【+α】 (ページ9)

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「へぇ…たくさんの人を診たってことは、アユムちゃんのお父さんはきっと相当腕のいい先生なんだね」
「そっか！たしかにそうだね。すごーい、お父さんかっこいいなぁ…」

-猛烈な眠気に襲われ、そのまま眠りについてしまう-

「もしもーし？寝ちゃったかな…おやすみなさい」

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「───他はどうだろう？何か変わったことや…思い出したことはあるかい？」
「…紅茶」
「紅茶？」
「はい。詳しくは思い出せないんですけど…何か美味しい紅茶を飲んだ記憶が、残っています」
「そうか…まぁ急ぐ必要はない。この調子でゆっくりと思い出せれば十分だ。では、今日も検査を行おう───」

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テセウスの船

「同じ…だと思います」
「ふむ。では前回と同様、理由を聞いても？」
「他人からの認知と、自分自身の認知がどう噛み合うか次第かなと。この場合船は無機物で自身の意志や感情がないと想定し、他者からの認知のみと考えて…すべてが入れ替わっても"テセウスの船"として同じように認知されるのなら、それは入れ替わる前と同じなんだと思います」
「…では仮に、この船に…そう、人間のように意志や感情があるとして。その場合も同じものと呼べると思うかい？」
「それであれば…船本人が"違う"と思った時点で、曖昧な存在になり替わると思います。他人との認識の差が生まれちゃうので、もどかしい状態ですけど…──」

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