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ショッピがたどり着いたのは学校の一画にある広場。日中であれば多少人通りはあるものの、下校時間を過ぎたこの時間帯にその賑やかさは無い。こちらに背中を向けたまま、そこに居た人物──アクマメイは装着していた仮面を取り外し素顔を晒した。ショッピからは外の光に照らされているらしいそれを見ることが出来ずとも、彼女の言葉には先程までとは異なりかなり砕けた印象が伝わってくる。それと同時に、その言葉には悲壮感が纏わりついていた。
「まったく…
「……」
「…君も相変わらずだね。またそのうち顔出すよ。これでも一応、非常勤講師だからね」
何故この学校にやって来たのか、何故我々師団の所へ来たのか…何故突き放すような真似をするのか。それをこの場で語るような人物でないことはショッピは重々承知していた。だから再び仮面を着け立ち去る彼女を引き留めることはない。その代わり、彼の脳裏にはいつの日かのとある男の姿が過ぎっていた。
『──俺の古い友人に珍しい悪魔が居てだな…』
「…ほんま、不器用なひと達やな」
楽しそうな色のなかでも特別機嫌が良く、そして嬉しそうに。彼女のことを話す団長の姿は、恐らく我々師団の誰も見ていない代物。本音を深く語らない似た者同士の彼らが、腹の底で何を抱えているのか…何となくの想像はつくけれど、それ以上のことを知る術は今は無い。当てのない答え探しの中で、辺りに響き渡る音があった。
「"───…♪"」
「…ん？なんやこの音……誰か歌っとるんか？」
「合唱師団かなんかちゃうか？」
「おー、きれいな音色やなぁ」
下校のため玄関に向かう一行に届く音色。意味を理解できる言語ではなく、彼らの知らぬ他の言語のようだ。その歌を耳にしたシャオロンの中で、ふと疑問が浮かぶ。
「…あれ、そういや──あのひとって、なんの担当の先生やっけ？」
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作者名：にゃむ吉 | 作成日時：2022年5月18日 11時
