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ゆっくり、カフェオレ用のコーヒーをドリップしているAちゃん。
相変わらず整った顔に、センスのいい服。
モデルかなにかと間違えそうになる。
ボーッと見つめてると
｢恥ずかしいからあんまり見ないで〜｣
なんて言って。
そんな姿を神ちゃんとからかって。
あーほんま、癒ししかないこの空間。
｢そういえば、さっきの恋バナの内容はなんだったの? 聞きたいっ!｣
神｢あー、あれなぁ｣
藤｢そんな大したことやないよ? 食事会みたいなんいって、やたら連絡先聞かれて、交換してからどう断ろうか悩んでるって話｣
｢あれ、さっき恋愛するって...｣
藤｢仕事も落ち着いたしそろそろな、でも相手がおらな意味ないやろ〜｣
神｢ごもっともやな｣
｢じゃあ、、今回の恋バナはお断りの仕方の相談ってこと?｣
藤｢そういうこと｣
神｢さすが、モテる男はちがうなぁ｣
藤｢それは神ちゃんもやろ｣
｢おふたりともですよ、最近常連さんとかご近所さんから、なんだかちょっと奇抜な髪色してるイケメンさんと、彫刻みたいなイケメンさんがいるって噂になってるんだから｣
神｢ははっ、ちょっと奇抜かぁ、あながち間違ってへんけど!｣
藤｢彫刻って褒め言葉なん?｣
｢ふふ、どーでしょ? ...さ、カフェオレできましたよ〜、どうぞっ｣
藤｢おっ、さんきゅ〜｣
｢神山さんも、ホットコーヒーおかわりどうぞ〜｣
神｢ありがとう〜｣
｢お花、もう少し待ってて、すぐ用意しますね｣
藤、神｢はぁい｣
俺がいつも座るコバルトブルーの椅子と同じ色のマグカップ。
そのマグカップには出来たてのカフェオレ。
何年も変わらないけど、毎回美味しい。
ほっとする、優しい味。
横に座った神ちゃんと目が合うと、美味しいなぁ、なんてふわんと笑った。
あー、神ちゃんも癒し...!!
｢お待たせしました...、今日はこの花をあなたに。《ラナンキュラス》です｣
藤｢...ラナンキュラス、｣
神｢ふわふわしてて可愛ええなぁ｣
｢んふふ、可愛いでしょ? 流星くんにはいつもスマートなお花あげてるから、たまにはこういうのもいいかなって｣
藤｢おん、、俺好き、こういうの｣
｢よかった｣
藤｢なんや、花びらは沢山あるのにめっちゃ儚く感じるな｣
｢その儚さが、この花の魅力なのよ｣
...ほら、またや。
Aちゃんはお花にだけする表情がある。
その表情が、俺はたまらなく好きで...
なんやろね、恋愛感情とはまた違う、不思議な感情になる。
不思議と、心が奪われる。
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作者名：maoka. | 作成日時：2021年8月13日 23時
