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〜続き伊作side〜
A先輩に初めて関わった時、どうしてこの人はこんなに僕に優しくするんだろう僕の事を弱いって馬鹿にしてるのかな、僕と力はあまり変わらないのにって一年ながら思っていて少し毛嫌いしていた所があった。
でも、時が流れるにつれて明らかに僕とA先輩との間に力の差が生まれた。たった一年しか変わらないのに...A先輩が五年生になった頃には目に見える程の大きな差が生まれていた。悔しかった。だからA先輩が正直嫌いだ。
今、雨に濡れ泣きながら必死に笑おうとする先輩も何を考えてるかさっぱり分からないし...
『俺のことが嫌いなら嫌いでいい!実際俺もひとつ上の先輩が大っ嫌いだったし。たった一学年違うだけなのに命令すんなよ。って思うことがある。誰もが通る道なんだな、これってw』
優しい先輩でもそう思う事あるんだ。
『あ〜、泣かないって決めてたのになぁwこれだから嫌われるんだよねw、ま、言いたい事はな、君達は強い!』
長次「もそっ...?」
『俺は本気でそう思ってる。だから君たちには自分らしく生きて欲しい。君たちも今年から上級生だ。私たちの学年と合同訓練があったりその度色々アドバイスされることがあると思う。だけど全てその通りにする必要はない。君たちが正解だと思うことを貫いて欲しい、先輩達の操り人形にならないで。君たち6人はその力があるって信じてるから。』
信じてるか。
『どれだけ俺の事を嫌ってもいい、だけどこれだけはどうしても言いたかった。伝えたかった。』
そしてA先輩は、震える手でほかの後輩にするように初めて僕達六人の頭を撫でた。
〜小平太side〜
初めてA先輩に撫でられた。
震えていたが、なんか心がポカポカした。
もしかしたら私はこの先輩こと全く理解していないのかもしれない。だから嫌っていたのかもしれない。
細かい事は気にしない性格の私だが、実はすごく気にしていたのかもしれない。
小平「すみませんでした!」
長次「今まで、避けてすみませんでした。」
私に続けて長次、そして他の4人もA先輩に頭を下げた
『え、あ...なんで謝るの〜?...』
A先輩は声を震わせ、申し訳なさそうにそう呟いた。
仙蔵「今思えば嫉妬心だったのかもしれません」
小平「嫉妬心ってなんだ!?」
留三「今度、勝負しましょう!」
『それは無理かなぁ〜...』
小平「なぁ!嫉妬心てなんだ!?」
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作者名:はるか | 作成日時:2022年10月11日 17時