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雑渡「少し残念だが、今日は諦めるとするよ」
諸泉「お頭、いいんですか?」
雑渡「いや、私はAくんをまた必ずスカウトするよ」
『城燃えますよ!?』
雑渡「君の不運に打ち勝つ作戦を練って出直すよ。じゃ、またね、Aくん。」
そして、タソガレドキ忍軍は去っていった。
利吉「本当に良かったのかい?」
『はい。私は今のままでいいんです!』
利吉「就職しないのかい?」
『利吉さんのようにフリーで働きます』
利吉「前はあんなに城に務めたい!と話していたのに...」
何故か少し利吉さんは寂しそうな顔をしていた
『この不運はどうにもなりません。私は城に務めちゃいけないんです。』
城に務めちゃ...いけないんだ...私のせいで沢山の人の居場所を奪ってしまうから。
すると、利吉さんが私の頭に手を乗せた。
利吉「もし、Aくんが君のせいで城が敗れたとか考えているのならそれは違うと思うな。」
『?』
利吉「その城は最初から弱かったんだ。Aくんが思い詰めることでは無い。それに城はいつかは朽ちていくものだからね。敗れることの無い城なんてきっと無いさ。いつかはきっと無くなるだろう。だから君のせいなどでは無い。」
『利吉さん、ありがとうございます...』
利吉さんは私の頭をポンポンと優しく撫で、私の前を歩き出した。
利吉「少し予定よりも早く用事が済んだし、街に甘味でも食べに行くか?奢るよ」
『本当ですか!行きたいです!』
この後、利吉さんに街の甘味処で団子を奢って貰い、一緒に食べた。
店主「仲良い兄弟だね!これサービスするよ!」
お店のおじさんはきな粉餅をくれた
兄弟か...
『ありがとうございます!』
店主「いいの、いいの。ゆっくりしていってね。」
『はい!』
利吉「兄弟に間違われたか...」
『利吉さんは学園の皆のお兄ちゃんですから!』
利吉「私がお兄ちゃん?」
『はい!みんなの利吉お兄ちゃんです!』
利吉「そっか...w、Aくん、口の周りきな粉だらけだぞ」
利吉さんがちり紙で口の周りを拭いてくれた。
やっぱお兄ちゃんだ...
『ありがとうございます。』
そして全て完食し、利吉さんは私を学園へ送り届け帰って行った。
『利吉さんて、お兄ちゃんって感じだよな』
小松「それ凄くわかる。僕この前利吉さんに間違えてお兄ちゃんて言ったことあるし」
『何それ、詳しく教えて?面白そう』
小松「恥ずかしいから、やだ〜」
でも、まぁ皆のお兄ちゃんには変わりない。
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作者名:はるか | 作成日時:2022年10月11日 17時