８（Yside） ページ8
「本当にいいの？」
「うん。」
太輔がうちに泊まる様になってから、４日が過ぎようとしている
少しずつだけど体の痛みも少なくなって、予定よりも早く治っちゃうんじゃないかって俺は感じてる
それは、ずっと付きっ切りで世話をしてくれた太輔のお蔭なんだけど…
「みっちゃん、寂しがってるって…」
「んふふ。たまの言葉気にしてんの？大丈夫だよ？」
あまりにも太輔がミツに素っ気ない気がして、ちょっと気になっている
「でもさぁ…、みっちゃん今日、ちょっと元気なかったじゃん？」
「え？そうかなぁ…。話したけど、そんな風には見えなかったよ？」
「ならいいんだけど…」
「また連絡入れてみるよ。それより今日は疲れたでしょ？風呂入って早く休もう？」
みっちゃんに申し訳ないとは思いつつ、太輔が側にいてくれるのは素直に嬉しい
やっぱり一人だと、色々痛みを無理してやる事も出て来るだろうし
それに…
「ありがと。後は一人で大丈夫。」
「そ？じゃあ、リビングで待ってるね。」
パジャマに着替えて、ゆっくりと時間をかけてリビングまで歩いていく
部屋に入ると、ソファに座ってスマホを弄る太輔の背中が見えた
「ごめん、お先に。太輔、次入って。」
「あ、ありがと。」
「……みっちゃん？」
「うん。LINE送ったけど既読にならないや。出掛けてるのかな。」
「そっか…」
「さ、俺も風呂入ってこよ〜」
太輔の言葉はやっぱり気になる
だけど、どこかでホッとしている自分もいる…
もしも…
太輔がみっちゃんと楽しそうに電話している姿を見たなら
きっと俺はこんな風に平然とした顔で、太輔と言葉を交わすことなんて出来なかっただろう
太輔が置いていったスマホ
暗いまま…光を取り戻す事は今のところなさそうだ
太輔からのLINEを嬉しそうに返していたみっちゃんの姿を思い出して、心配する一方で
このまま…
返事が来なければ良いと…
考えている自分に嫌気が指す
どんなに足掻いても
俺には…二人の隙に入る事は出来ないのに…
「わた…？」
「あ…おかえり。」
「どこか痛む？辛い？」
「いや、大丈夫だよ。」
「……ごめんね。」
「まだ気にしてんの？俺は太輔がケガしなくて良かったって思ってんだよ？」
「わた…」
だって、もし太輔に何かあったら
俺は自分を許せないから…
．
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作者名：MISA
| 作成日時：2018年5月31日 16時
