5(Nside) ページ5
たまの言葉を聞いて、じっとなんてしてられなかった
ソファに座ってボーっとガヤとわったーを見つめてるミツ
なんでミツの事気付かないんだよって、ガヤに怒りが込み上げる
「ミツ。」
「…んぁ?」
「熱あるって、大丈夫なの?」
「っ…おま、どうしてそれっ…」
じっと見つめる俺に、はっと気付いたようにたまを見た
「たまちゃんか…」
「たまが知ってんのに、ガヤが知らないっておかしいでしょ?」
「……俺が言わないでって言った」
「なんで?」
「今は、横尾さんの方が大事だから。」
「何言ってんの?!ミツの事も大事でしょ!」
「俺は自己管理が出来てなかったから…でも横尾さんは違うだろ?藤ヶ谷も責任感じてるし、横尾さも藤ヶ谷が傍にいた方がいい。これがベストなの!」
「ミツ…」
「俺は大丈夫だから…」
一生懸命笑顔作ってるけど、ちゃんと笑えてないって分かってんの…ミツ…
「なら…俺がミツんとこ行って良い?」
「は?」
「俺、ミツの事放っておけない。」
「ダメに決まってんだろ。」
「なら、ガヤに言う。」
「おいっ…」
「ミツんとこ行って良い?」
「……お前、ホント卑怯…」
「ミツから学んだんだよ。」
「俺はそんな事、教えた覚えはねぇよ。」
「…どっち取るの?」
「………風邪、移っても知らないぞ。」
「移んないよ、俺バカだもん。」
「…そうだったな。」
「おいっ。」
「ふふっ」
弱々しい笑いでも、ミツが心から笑ってくれるならそれでいい
ミツを笑わせる事に関しては、俺の方がガヤより勝ってるって思ってるから
だって…
「仕事終わったら一緒に帰ろうね。」
「分かったよ。」
「先に帰んないでよ?」
「帰らねぇよ。」
「まぁ、先に帰ってもミツんち押しかけるけど。」
「……ちゃんと待ってるから、モタモタすんなよ。俺、多分……そんなにもたねぇぞ。」
「…ふふっ、了解。」
ミツは甘えベタだ
だから時々不器用にもこうして甘えてくれると、無条件に手を差し伸べたくなる
だって誰よりも寂しがり屋で泣き虫な事
俺はちゃんと知ってるから…
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作者名:MISA | 作成日時:2018年5月31日 16時