25(Sside) ページ25
今日ミツが退院して、仕事に復帰する
久々の7人の仕事…
最近色々あって、皆が普通じゃいられないことは分かってたけど、この雰囲気って…
「宮田ぁ…」
「どうしたの、千ちゃん。」
「なんか、俺、この空気馴染めないんだけど。」
「ははは。馴染まれても困るけどね。」
「……ねぇ……これでいいんだよね?」
「ん?」
「……俺は…ニカを止めなくても…良いんだよね?」
ミツとガヤさんの間に入り込もうとしてるニカの事、ずっと黙って見てた
ニカが長い間、ミツを好きだった事、知ってたから…
「良いと思ったから、今まで黙って見てたんだろ?」
「…」
「なら、それでいいんじゃないの?」
頭の上で手を組んだたまが、悪びれる事も無く言い放つ
たまの言葉に、自分がした行動に自信が持てなくなって泣きそうになった
「千ちゃんは、ニカに傷付いて欲しくなかったんだよね?」
「宮田…」
「でもね、俺は千ちゃんにも傷付いて欲しくないんだよ?」
宮田はいつも優しい
目尻にしわを寄せて微笑みながらそんな事言われたら、我慢した涙が零れてしまう…
「宮田ぁ…」
「正解なんてないんだよ。誰も正しい道なんて分からない。だけど、走り出したらもう振り返る事なんて出来ないから…俺達は逃げずに、ちゃんと最後まで見守ろう?」
「うん…」
こういう時、宮田はいつも中立で…
誰も責めないし、非難することもない
意地悪言っちゃうたまの気持ちも、きっと全部分かってるんだろうな
「北山さん、もうすぐ到着されます。北山さんの準備が整い次第始めますので。」
スタッフさんが、声を掛けてくれる
ミツの名前が出た瞬間、空気が動いたのが分かった
それを感じ取ったのか、たまがゆっくりと立ち上がると
心配そうに見上げた宮田の肩をパンッとグーパンチして3人に近付いていった
「そろそろ空気変えないと、ミツ来ちゃうよん。」
「…」
「何?愛しいミツの事、気にしてそんな辛気くさい顔にやってんの?それともお互い牽制してる?」
「おい、」
挑発的なたまの言葉に立ち上がったのは、ガヤだった
「何イラついてんのかなぁ。自分で望んで決めた通りになってんじゃん。何でそんな顔してんの。」
「…お前には関係ない。」
「それが関係あるんだよねぇ。」
「たまっ…!」
宮田が駆け寄ったのも気にせず、睨みあう二人
一気に不安が押し寄せた
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作者名:MISA | 作成日時:2018年5月31日 16時