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15(Fside) ページ15

怒りにも似た感情が、全身を駆け巡る

とても冷静にはなれなくて、感情のままにニカへと詰め寄った





「ニカ、聞きたい事がある。」

「何?どうしたの?」





驚くニカの手を引いて、スタジオ近くの喫煙室に連れ込んだ





「ちょっと、何なの?!」





突然の俺の行動に、ニカは苛立ちを隠さない





「…ニカ、最近お前、俺んちに泊まってるのか?」

「は?」

「宏光とずっと一緒にいるのかって聞いてんだよ。」

「……そうだけど。それが何か問題ある?」

「問題ありまくりだろ!」

「何で?」

「は?」

「だって、ガヤだってずっとわったーんちに泊まってんでしょ?」

「…意味分かんねぇんだけど。なんでそれが俺んちに泊まる理由になんだよ。」





ニカはふるふると震える唇をギュッと噛み締めると、俺を睨むように見つめて静かに言った





「……ガヤに俺を責める資格ないと思う。」

「は?」

「ミツ、熱あるの。気付いてる?」

「……ね、つ…?」

「やっぱ気付いてなかったんだ。ずっと横尾さんの事ばっかで、ミツの事、全然見てないからだよ。」

「いつから…」

「わったーが怪我する前からだって。」

「…っ…!」

「何やってんの?ガヤ。」





何も言えなかった

そんなに前から…俺は宏光の事に気付けていなかった…?





「ミツ、ずっと苦しんでる。ガヤが帰って来ないなら、俺がミツの側にいるつもりだよ。」

「ちょっと待てっ…」

「わったーへの罪滅ぼしはもう終わったの?恋人よりも大事な親友の。」

「お前っ…」

「そうでしょ?本当にわったーの所に泊まる必要あったのかなぁ。罪滅ぼしするなら、他の方法だってあったはずでしょ?」

「それは、宏光が…」

「ミツのせいにするんだ?…それを選んだのは…ガヤだよ。」





鋭い視線が、俺の胸をえぐる

立っていられなくなって、その場に蹲った





「ごめんね、ガヤ。俺はミツの事放っておけない。」





放心状態の俺に手を差し伸べる事も無く、ニカはゆっくりと喫煙室を出て行った

ぱたりと閉まるドア

誰もいなくなった部屋で、必死に涙を押し殺した






.

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作者名:MISA | 作成日時:2018年5月31日 16時

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