検索窓
今日:4 hit、昨日:14 hit、合計:661 hit

純白 ページ3

「さよなら。」


そう残して去る後ろ姿はとても綺麗で、ぼんやりと眺めることしかできない。

終わったんだ、何もかも。



彼女にフラれて、もう何年経っただろうか。
あの日から俺は立ち直れずにいる。

俺だけが、過去から抜け出せないでいる。


彼女は、白がとても似合う美しい女性だった。
それは外見だけではない。内面も真っ白で、純粋そのものだった。

海辺を歩く姿は神聖で、眩しくて目も開けられないほどだった。
日差しを受け、つやつやと反射する肌。
風に靡く、長く伸びた黒髪。
くりんとした睫毛。
ぷるぷるの口唇。
彼女の全てに魅せられた。そう簡単に忘れまい。


だが、ここまでとは思わなかった。
俺自身が一番驚いている。

どうして俺を捨てたの?
俺には君しかいないのに。君しか癒しがないのに。君しか居場所がないのに。君しか生き甲斐がないのに。


心に空いた穴は埋まることなく、数年放置されたまま。
からっぽを埋めるのは、君でしかできない。

だから俺は、いつまでも過去ここから動けないんだ。




INNOCENCE 『純白』

闇黒→←月の危うい



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:GLAY
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:名奈 | 作成日時:2021年5月15日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。