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「なんとも胸糞悪い幻覚だったな」
「あ、こら、煙草はベランダで吸え」
「窓開けてんだからいいだろ……ん、」
尾形が煙草に火をつけようとライターを取り出そうとした所で、ピロン、と電子音が聞こえて携帯を拾い上げた。
肩口から覗き込むと、彼の弟の勇作から『今日は仕事で遅くなりそうなのでお家に伺うのはまた明日にしますね。今度はお土産を持っていくので楽しみにしててください！』というメッセージが来ている。
「通い妻じゃん」
「相変わらず過保護なんだよ」
尾形は眉を潜めて辟易したように呟き『了解です』と黒猫のスタンプを送っていた。
「まぁ、これで今日の予定は空いた訳だが……どうする？」
「……っ」
ずい、と顔を近づけられ思わず目を逸らす。その反応を喉の奥で笑いながら「なぁ」とダメ押ししてくるから堪らない。
「き、着替えは」
「見越して持ってきてある」
「用意周到な奴……」
「折角の金曜なんだ、やろうぜ」
こう迫ってる時の尾形は梃子でも動かないから困る。……私もそれを期待していない訳ではなかったのだけれど。
「……仕方ないな」
そう言えば尾形は嬉しそうに目を細めた。この顔に弱いんだよなぁ、とクローゼットからゲーム機を取り出して電源を繋ぐ。
「ははぁっ、今夜は宴だな」
「前みたいに深夜まで付き合わないからな。私はお前みたいに夜行性じゃない」
「構わん、隣で寝てりゃいい」
ゲームの起動音と共に画面が変わり、コントローラーで「２Player」を選択する。
今夜は、長い夜になりそうだ。
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−(プロフ) - わ〜！！！！そう言って貰えると励みになります！！！！！ありがとうございます！！！！！ (2021年10月29日 20時) (
レス) id: abbb997ccd (このIDを非表示/違反報告)
桜忌(プロフ) - めっちゃ好きです。これからも続き楽しみに待ってます！！ (2021年10月29日 1時) (レス) @page8 id: 542ce05019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：− | 作成日時：2021年10月17日 22時
