15冊 ページ15
一息ついて後ろを振り返ると、堂上教官が、笠原に手を差し伸べるのが見えた。
笠原がその手を取り、立ち上がると、右腕一閃。
堂上教官の綺麗な平手打ちが笠原の頬を打った。
「アホか貴様！犯人フリーのままで何が確保だ！
...いつまでもスポーツ気分なら、やめちまえ。」
笠原が目に見えて落ち込んでいるのがわかる。
「堂上教官、なかなか厳しいですねぇ。ねえ、小牧教官？」
「深瀬さん...」
小牧教官の笑顔が怖い。目が笑ってないし、なんか、背後にブリザードが吹いている。
「とりあえず、傷の手当が先ね」
「え？傷？」
「やっぱり気づいてなかったんだ。
左腕」
教官に言われて左腕を見ると、シャツに血が滲んでいた。
傷に気がついてしまうと、痛みが襲ってくる。
どんどん広がる滲みを見つめていると、背中と膝の裏に小牧教官の手が回ってきた。
「こ、小牧教官！！ちょ、ちょっと！！」
「怪我人は大人しく運ばれなさい。堂上、俺ら抜けるから」
「ああ。深瀬はもう今日は終わりでいいから。怪我を治せ」
小牧教官に、首に手を回すように言われ、大人しく従う。
教官との距離が近い。
教官の胸板、厚いなぁ。
教官、いい匂いするなぁ。
はっ、私、何を考えてるんだろう。
頭を振って辺りを見回すと、いわゆる、お姫様抱っこ、で運ばれいるせいか、色々な人に見られていた。
あまりの恥ずかしさに、小牧教官の胸に顔をうずめたまま運ばれることにした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 257人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るり(プロフ) - 絢さん» ありがとうございます！！ご期待に添えるように頑張ります！ (2017年5月13日 5時) (
レス) id: f6d4dd4d44 (このIDを非表示/違反報告)
絢(プロフ) - この作品、すごく好きでいつも読ませていただいてます！頑張ってください！ (2017年5月11日 20時) (レス) id: 021a2c26af (このIDを非表示/違反報告)
無名 - こんにちは、堂上教官ファンです。作品すごくおもしろうです。 (2017年3月29日 15時) (レス) id: 30bcd37fb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るり | 作成日時：2017年3月4日 20時
