light23 ページ24
森はそれ以上、何も訊いて来なかった
そういうところも、こいつの良いところだったりする
「お前こそどうなんだよ。」
「お、それ聞いちゃう?」
『よくぞ訊いてくれた!!!』と言わんばかりの表情で森はチーズを頬張る
「ほふはふはへた(訳:告白された)」
「まじかよ。」
口いっぱいに詰め込んだチーズを酒で流して話を続ける森をまじまじと見る
素直で愛想が良い上に、高身長で優しげな顔立ちのこいつは、よく女子に話しかけられている
このバカなキャラですっかり忘れていたが、いわゆる女ウケのいい爽やかイケメンってやつだ
「まじまじ!!!川口さんから告られたんよ!」
川口さんは、同期のひとり
レナの噂をしているのを何度か見かけたことがあり、正直良い印象は持っていない
「でもあの人性格きっついからさぁ。断っちゃった。」
「まあ、少なくとも森のタイプではないな。」
「え、俺のタイプ知ってんの?」
話した覚えがないと言ったふうにキョトンとする
森、お前はわかりやすいんだよ
「なんつーか、あれだろ。小動物的な感じが好きなんだろ?」
「ええええなんでわかるの!!」
今度は目が飛び出そうなくらい見開く
多分女子が森にオチるのはこういう一面を見てしまった時だ
おい、知ってるか、森
お前が会社の女先輩に『かわいい!飼いたい!!!』なんて言われてること
本人はきっと一生気付かないだろう
「俺はとにかく癒し系が好きなんだよ、わかる?可愛くて、ふわふわしてて、守ってあげたくなるような。お弁当の中身茶色いような家庭的な女子が!!!もっっっっのすごくタイプなんだよ!!!!!」
身を乗り出して語る森もだいぶ酔っているみたいだった
『守ってあげたくなる』……
あいつもそうだったな
自分の意志をしっかりと持っていて
思ったことははっきりと言えて
そんな強い一面があったけれど
どこか脆くて
触れたら、消えてしまいそうで
彼女の弱い一面は、きっと俺達仲間しか知らなかっただろうな
一人の女としてではなく、一人の人間、立花彩として接して欲しいと
彼女から言われたことがある
それはもはや、チーム内では暗黙のルールのようになっていた
我慢して、気持ちを押し殺していた奴までいたのに
俺は、それを破ってしまった
卑怯な真似をしてしまったのだ
それに気付いた時には
あいつらはもう、居なくなってしまったけど_____
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きらら(プロフ) - 小町さん» ありがとうございます!数年前から…!それはすごく光栄です!!出来るだけ毎日投稿頑張りますね!これからもよろしくお願いします。 (2021年8月11日 9時) (レス) id: 44600722bc (このIDを非表示/違反報告)
小町(プロフ) - コメント失礼します。数年前からきららさんの作品を読ませて頂いていました。帰ってきてくださって、とても嬉しいです!無理せずに更新頑張ってください! (2021年8月10日 13時) (レス) id: a89f3eeedf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きらら | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/7fec2ef6271/
作成日時:2018年5月15日 22時