light22 ページ23
「ったく、二人して酒癖悪すぎ。」
すっかり泥酔状態になった女二人は床で寝ていた
夏といっても、夜は冷える
ブランケットを二人にかけて、ため息をついた
「……ひろ…と…………」
レナの口からそんな言葉がこぼれる
『ひろと』
昔の男か?
「…やっぱり、忘れられないのかな、川嶋さんのこと。」
レナの寝顔を見ながら森がつぶやく
『ひろと』とは川嶋さんのことだったらしい
「でも、なんで不倫なんてしちゃったんだろ。」
「……好きな気持ちは止められねえよ。」
いくら叶わない相手でも
いくら釣り合わない相手でも
どんな手を使ってでも手に入れたくなるものだ
「なんだよ上杉、もしかして恋多き男なわけ?」
「一回だけだよ。」
そう、たったの一回
俺は、初恋で止まったままだ
「……今でも、好きだったりする?」
森が俺の顔をのぞき込む
「さぁな。」
「怪しー。」
今でも、好きなのかな
でも、この気持ちは一生報われないから
「もうその子、亡くなってるんだ。」
「え……」
『亡くなってる』
10年経った今、初めてその言葉を口にした
今まで、現実を受け止めたくなくて、言葉にしなかったから
「もう、10年経つけどな。」
「何年経っても、大切な人がいなくなった傷は、変わらねぇだろ……」
この傷が癒される時は、くるのだろうか
時間が過ぎても、瘡蓋にすらなれないこの傷が
「俺、森のそういうところ好き。」
「は、なんだよお前。よせ、照れるだろ!!!」
「ぶははっっっ」
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きらら(プロフ) - 小町さん» ありがとうございます!数年前から…!それはすごく光栄です!!出来るだけ毎日投稿頑張りますね!これからもよろしくお願いします。 (2021年8月11日 9時) (レス) id: 44600722bc (このIDを非表示/違反報告)
小町(プロフ) - コメント失礼します。数年前からきららさんの作品を読ませて頂いていました。帰ってきてくださって、とても嬉しいです!無理せずに更新頑張ってください! (2021年8月10日 13時) (レス) id: a89f3eeedf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きらら | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/7fec2ef6271/
作成日時:2018年5月15日 22時