二人の間に授かった、小さな命。 ページ26
練習後、冴の携帯にAからの電話が入った。
「どうした。」
『冴!ビッグニュースがあるの!すっごいニュース!』
「何があった。」
『まだ教えない!』
「あ?」
『帰ってきたら教えるから早く帰ってきてね。今は早く会いたいの。気をつけて帰ってきてね。』
「隠し事とはいい度胸だな。まあいい。すぐ帰る。待ってろ。」
『うん!』
Aは基本、LINEで連絡することが多い。電話を使うとは思わなかった。だから、何かあるのかと思ったらビッグニュースだと?
内容は教えられなかったが、俺相手に勿体ぶったんだから相応の内容だろうな、A。
「ただいま。」
ドアを開ければAが勢いよく走ってきて、俺に抱きついた。
「おかえり冴!聞いて!私ね、お母さんになるの!赤ちゃんが出来てたの!」
「……は?」
「冴と、私の!冴が、お父さんになるの!」
呆然と立ち尽くす冴とは裏腹に嬉しそうにぴょんぴょん動いて嬉しさからついはしゃいでしまうA。
ガッ、と両肩を掴まれ、冴は顔を近づけた。
「嘘は吐いていないな?本当に、俺は父親になるのか。」
「うん。貴方がお父さんになるのよ。冴が子供にお世話するとこ、想像できないけど。」
クスクスとAが笑っていると、突然冴に優しく抱きしめられた。
「……そうか。」
「うん。」
Aは冴の背中に手を回した。
あなたが愛す人が、凛くん以外で、私だけじゃなくなるのは……少し寂しいけれど。
でも私は、冴を愛する人が増えてほしいと思う気持ちのほうが強いから。
どんな子が生まれてくるかな。早く会いたいな。
冴に似るかな?それとも私似?
冴に似ると頑固な子になりそうだな。
私似ても頑固だろうな。
どんな子でも、私は嬉しい。
周りの子と同じような子でも、違う子でも。
私は愛する冴と、一生かけてあなたを守る。
そして、愛情をたくさんあげたいな。
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桜花(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます♡この作品もお気に入りなので続きをお楽しみに! (2023年2月3日 19時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 冴が本当に好きなので、嬉しかったです\(//∇//)\続きが楽しみです! (2023年2月3日 16時) (レス) @page16 id: 94c427d0c3 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - らむねさん» コメントありがとうございます!こちらの作品も無理せず自分の納得が行くように頑張ります! (2023年1月1日 20時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 凛君の作品の方から来ました!!糸師兄弟結構好きなので嬉しいです!無理せずに自分のペースでいいので頑張ってください!! (2023年1月1日 14時) (レス) id: 41465224bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年12月31日 21時