【ブルーロック】孤独を分かつ二人の天才。【糸師冴】

糸師君ってホントに笑わない。 ページ3

「ねね、糸師君!これ見て〜。」

そう言ってAが見せたスマホの画面にはAの飼い猫のモモの写真だった。

モモはブサカワな猫で、たまたま撮れた変な顔のモモは、クラスメイトに見せれば誰もが笑うような面白さがあった。

この写真で笑わない人なんていないでしょ……!

そう自信満々に冴に見せに来たAだったが……

「……」

「えぇ!?」

笑わない……!?そんなことある!?

「なんでコレ見て笑わないの!?ウチのクラスで笑わないことで有名な狩野さんですら笑ったのに!!」

「別に。俺にとってその猫の写真で笑う要素がなかっただけだ。」

「うう〜……」

なんって無愛想な人なの……!!?

「糸師君ってそんな綺麗な顔持ってるのに全然笑わないよね。確かにクールな顔が好きっていう子もいるけどさ、もっとニコニコ笑えばいいのに。そしたらもうあっという間に学校中の女の子からモテまくりだよ?」

「笑っても別に得することはないし、ソレで女が寄ってくるんじゃ余計笑いたくなくなる。お前はそうすればモテると言うが、ソレに得があるとは思わん。」

「説明しろって言われると難しいけど……一人でいるよかマシだよ。」

「フン。」

「糸師君ってホントに笑わないね。」

どうやったらこの人笑うんだろ?笑った顔見てみたいからもうちょっと粘ってみよっと。

糸師君は気にするような子じゃないけどさ、一人ぼっちってのは辛いものよ。

だって自分が辛いとき、誰も頼る人がいないんですもの。

君は本当に私に似てるわ。

天才故に周りから遠ざけられる。

人より少し優れた能力を持っているだけなのに。

多分私はもうじき、この学校のサッカー部を追い出されることになる。

この能力はいつも私から人を遠ざける。

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