羽生先輩に起きた事件。 ページ20
「A、さっき職員室で先生が呼んでたよー。」
「あっ、そうなの!ありがとマキちゃん。行ってくるー。」
「行ってらー。」
Aは親友である早川マキに先生から呼び出しを受けたことを聞いて、職員室に向かった。
その道中、人気のない階段を歩いていたAは、唐突に背中を押された。
押された瞬間、Aがみた女生徒達は、サッカー部の練習を観に来たことのある2年生だった。
***
「ねぇ玲王、あそこ何か人集り出来てる。」
「ん?ああ、そうだな。どうしたんだ?取り敢えず行ってみようぜ、凪。」
「ええー……」
そんなことを言っていたら……
「ちょっとA!大丈夫!?」
よくセンパイと一緒にいた親友の先輩が必死にAセンパイに声をかけているように聴こえてきた。
「ちょ、凪…!?」
凪は玲王を置いて、すぐにそこへ向かった。
「邪魔、どいて。」
凪は人混みを掻き分けて、中に入っていった。
そして、それを観ることになる。
「……は?」
「凪、お前いきなりどうしたんだよ、」
凪に続いて玲王も人混みを掻き分けてここへ辿り着いた。
二人が見たのは先輩の親友であるマキに抱かれて気を失っているAの姿だった。
頭の何処かをぶつけた或いは切ったのか、彼女からはポタ、ポタ……と血が出ていた。マキの白いブレザーにはしっかりと赤がついていた。
マキは血が制服につくことを気にしていなかったが、それは酷いほどにしっかりとついていた。
「羽生先輩……早川先輩、羽生先輩の出血量は少なくもないけど多くもない。今はハンカチしかないですけど……止血に使ってください。俺は救急車呼ぶので彼女を保健室に。凪、」
「うん、分かってる。」
「御影君、ありがと。ハンカチ使わさせてもらうよ。」
マキは自分と玲王のハンカチを使ってAの止血に役立てた。
そして凪はAを横抱きに抱え、立ち上がった。
「……何。見せ物じゃないんだけど。邪魔だから退いて。」
Aを抱えた凪に向けられた視線。
見せ物なんかじゃないこの事態に寄せられる好奇の目が、
凪にとって不快で仕方がなかった。
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桜花(プロフ) - 使い古した絡繰り人形さん» コメントありがとうございます!!黒名くんと凪くん両方の作品読んでくださりありがとうございます!!こっちの作品はちょっと更新遅れてるのでなるだけ早く更新できるよう頑張ります!!応援本当にありがとうございます! (8月14日 12時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - コメント失礼します。「黒名くんにきゅんな毎日。」から来ました!面白すぎてつい一気読みしてしまいました。神ですか?いや、神ですね!?更新待ってます! (8月14日 10時) (レス) id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - ねう。さん» コメントありがとうございます!これからもハイクオリティ目指して頑張ります♡ (2023年1月14日 12時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - 最推し…良い。。もう涙が止まらなかった。。かっこよすぎます好きですこの作品素敵すぎます(泣) 更新楽しみにしてます! (2023年1月13日 20時) (レス) @page23 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - Z𝐙zさん» コメントありがとうございます!!タイトルはめちゃくちゃ気合い入れて考えたので嬉しいです!!これからも頑張ります! (2023年1月1日 23時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年12月4日 10時